中堅CROのACRONETは、アイルランドの世界的CRO「ICON」と業務提携した。グローバルCROと提携し、国際共同治験の受託を大幅に拡大させることが狙い。ICONの日本法人と共同チーム体制を立ち上げ、大型案件の獲得を目指す。中森省吾社長は「グローバルスタディに本格参入する足がかりを掴んだ」と手応えを語る。2013年の売上高100億円達成に向け、国際共同治験の比率を5割程度にまで高めたい考えだ。
ACRONETは、昨年に策定したビジョンで、グローバル展開の方向性を明確に打ち出した。その一つとして、海外CROとの協業を模索してきた中で、グローバル大手のICONと提携することを決めた。中森氏は「われわれにとって、国際共同治験の受託は1試験と経験が少ない。ビジネスとして安定感がないため、定期的に受託する仕組みを作りたかった」と背景を語る。今回、ICONとの提携により、国際共同治験のノウハウを獲得すると共に、大型案件の受託を定着させたい考えだ。
ICONは、日本法人に約60人のモニター(CRA)を擁しているが、開発チームの規模が小さいことから、大型案件の受注は難しかった。そこで、ACRONETのモニター約170人と共同チームを構成。ICON本社が受注した国際共同治験について、日本が担当する症例数を200人以上の開発チームで対応し、大型案件の受注率を高める。