
中山社長
第一三共の中山讓治社長は13日、都内で開いた経営説明会で、新興市場の中国事業に積極投資する方針を示し、2015年度には、売上高で10年度比約4倍増の30億元(約400億円)を目指すとした。今後、製品導入や提携を進めると共に、営業体制を強化し、成長著しい中国市場で存在感を高める。
同社の中国事業は、北京と上海の現地法人2社体制で展開。10年度売上高は、「第一三共(北京)有限公司」が2・9%増の42億円、「第一三共(上海)有限公司」が23・8%増の66億円と大幅に伸長。中国事業全体で108億円(8億元)を達成した。
こうした著しい成長を捉え、同社は子会社ランバクシーが展開するインド事業と共に、中国事業へ注力していく考え。中山氏は「今後、北京・上海の2拠点を活用し、導入や提携、M&Aなどの施策を打っていきたい」と述べ、製品ポートフォリオの強化に積極姿勢を示した。
具体的には、営業体制の強化に取り組み、MRを450人から15年には700人体制に増員。中国国内企業など、他社との提携によって販売地域の拡大、病院市場の開拓を進め、主力の合成抗菌剤「クラビット」、高血圧治療剤「オルメサルタン」の拡販を目指す。
中国では現在、医薬品卸の大再編が進行し、製薬企業の事業に影響が大きいと言われているが、中山氏は「複雑な流通の形が変化する中で、中国市場にふさわしい製品と体制を合致させていかなければならない」と課題を挙げた。