ニプロとサンドは11日、日本国内におけるジェネリック医薬品(GE薬)の開発、販売、製造などについて、広く協力する戦略的業務提携契約を、3月2日に締結したと発表した。具体的な協力内容は固まりつつあるが非開示。両社間の資本提携はない。
サンドは、ノバルティスの子会社で、世界有数のGE薬メーカー。ニプロは、グローバル展開するサンドの開発力、販売力に魅力を感じた模様。一方、サンド側は、付加価値を持った製品を開発するニプロの能力などを評価したようだ。
両社は業務提携を通じ、開発品や販売中のGE薬について、共同開発、共同販売、導出入などを行う。契約締結から約4カ月間、協議を行ってきた。具体的な協力内容の詳細は開示できないとしているが、その骨格は固まってきたという。
2007年以降、両社は品目ごとに個別に提携してきた。ニプロ子会社のニプロジェネファが製造する「エバスチンOD錠」をサンドが販売するなど、数品目の実績がある。このつながりを基盤に今回の包括的な提携を結んだ。
ニプロの医薬品事業の11年3月期売上高は約380億円。GE薬の製造販売のほか、他社からの医薬品製造受託を含んでいる。
サンドの国内売上高は非開示。今年6月上市分を含め144品目を販売している。国内ではこれまで、注射剤が成長を牽引してきた。今年から、経口剤による開業医や調剤薬局向け市場の拡大に力を入れている。
テバが大洋薬品工業の買収を発表するなど、日本でのシェア獲得に向け、外資系GE薬メーカーが攻勢を強める動きが目立っている。