OTC医薬品の解熱鎮痛剤カテゴリーは、バファリン(ライオン)、ナロン(大正製薬)、ノーシン(アラクス)、セデス(塩野義製薬)といった有力ブランド群がひしめき、売上シェアの上位を占めてきた。それに加え、今年1月には第1類医薬品の「ロキソニン」(第一三共ヘルスケア)も新たに市場参入し、競合はさらに激化している。そうした中、市場調査会社のインテージが全国3000店以上を対象に、医薬品等のPOSデータを収集するSDI調査(4~6月分)を行った結果、エスエス製薬の「EVE(イブ)」ブランドが、解熱鎮痛剤の売上シェアでトップに立ったことが分かった。「イブ」ブランドのシェアトップは、発売26年目にして初めてで、エスエスでは「独自の製剤技術やマーケティング戦略で、女性をはじめ多くのユーザーの支持を得て獲得できたもの」(コミュニケーション部)としている。
インテージのSDI‐POS(解熱鎮痛剤・大ブランド定義)で、イブブランド(イブ、イブA、イブクイック合計)は、4月がシェア20・4%、5月が20・8%、6月が20・6%となり、4~6月度におけるシェア1位を獲得した。同社では、今後も「痛みに悩まされる辛い時間を減らし、自分らしく過ごせる時間を少しでも増やしていただきたいというコンセプトを、CM等を通じて発信し、頭痛・生理痛に悩む人々の支えとなっていきたい」としている。
「イブ」は1985年に、イブプロフェン製剤としては日本で初めて、スイッチOTC医薬品として発売された解熱鎮痛薬。優れた解熱・鎮痛・抗炎症作用と、独自の製剤技術によって、女性でものみやすい小粒のフィルムコーティング錠とし、発売当初から多くのユーザーの支持を得てきた。
その後、90年には、イブの進化系として、イブプロフェンの鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを配合した「イブA錠」(指定第2類医薬品)を発売。さらに06年には、素速く効果を発揮する「イブクイック頭痛薬」(指定第2類医薬品)を発売し、女性層のさらなる獲得とシェア伸長の原動力となった。