第一三共の木伏良一常務執行役員医薬営業本部長は19日、国内初となる経口抗Xa阻害剤「リクシアナ」の新発売を受け、都内で記者会見し、「下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症(VTE)を予防する標準薬に位置づけ、情報提供活動を進めていきたい」と、販売方針を語った。その上で、「リクシアナの安全性を早期に確立し、下肢整形外科手術後のVTE予防領域で、50%のシェア獲得を目指していきたい」との目標を打ち出した。
リクシアナは、同社が創製し、グローバルで大型化を見込む経口抗Xa阻害剤。下肢整形外科手術後のVTE発症抑制を効能・効果に、国内で先行発売した。これまで整形外科領域で培ってきた実績を武器に、リクシアナを下肢整形外科手術におけるVTE予防の標準薬と位置づけ、情報提供活動を進める。
木伏氏は、VTE予防を適応とする既存のXa阻害剤に比べ、1日薬価が約3分の1に抑えられるメリットを説明した上で、リクシアナの適正使用を推進していく考えを表明。将来的には、下肢整形外科手術後のVTE予防領域で、50%のシェア獲得を目指す方針を明らかにした。
既にリクシアナは、心房細動(AF)患者の脳卒中予防の適応でも国内第III相試験段階にあり、来年にも承認申請の準備に入る予定。木伏氏は、「心臓領域の効能追加にも対応できるようにしたい」と述べ、まずはVTE予防の領域で実績を作り、患者数が多いAF適応に向けて、営業体制を構築していく考えを示した。