明治グループのMeiji Seikaファルマと韓国最大製薬企業の東亞製薬は、バイオ後続品に関する戦略的提携契約を結んだ。両社が共同でバイオ後続品の研究開発を進めると共に、ソウル市に合弁会社を設立し、バイオ後続品の生産工場を建設する。出資比率など合弁事業の詳細は決まっていないが、新工場は2014年に稼働させる予定。20年には、共同開発中の乳癌治療薬「トラスツズマブ」(DA‐3111)のバイオ後続品を含めて、3品目程度を上市し、バイオ後続品事業に本格参入する。
今回の提携契約により、両社は共同でバイオ後続品の研究開発を行い、日本ではMeiji Seikaファルマ、韓国では東亞製薬が独占的に製造販売承認を取得し、バイオ後続品の商業化を進める。
また、両社が出資して合弁会社を設立し、韓国の仁川経済自由区域内の松島地区に、バイオ医薬品の生産工場を建設する。出資比率など事業の詳細は決まっていないが、合弁会社でバイオ後続品の製造を手がけることにより、製造コストの低減を狙うと共に、日本と韓国を除く全世界でも、製造販売承認の取得を目指す。仁川の生産工場は14年に稼働させる予定。
既に両社は、トラスツズマブのバイオ後続品について、共同開発に着手しており、第一号製品として、16~17年の上市を見込んでいる。さらに今後、両社が研究を進めるバイオ後続品の中から開発品目を絞り込み、共同で臨床試験を進める。20年までには、トラスツズマブを含めて3品目程度を投入したい考えだ。
同社は、明治グループの「2020ビジョン」において、GE薬事業で売上高500億円を目指し、バイオ後続品を一つの柱に据える方針を打ち出していた。1月には、ドイツの製薬企業であるフレゼニウスカービ日本法人と提携。国内で抗癌剤後発品事業に参入してGE薬事業の強化を急ぐ中、今回バイオ後続品の研究開発ノウハウを持ち、1970~90年代に合弁事業で協力関係にあった東亞製薬と提携し、本格的にバイオ後続品事業に参入することになった。