中外製薬は来年1月、シンガポールに新規抗体医薬の創製を手がける新会社「中外・ファーマボディー・リサーチ」(CPR)を設立すると発表した。
同社独自の抗体技術を活用し、年5品目以上の開発候補品を作り出していく予定。
中外は、これまでに1分子の抗体が標的抗原の作用を繰り返し遮断する「リサイクル抗体」技術を確立。これを用いた抗IL‐6受容体抗体「アクテムラ」の次世代品について、国内開発を進めている。さらに、リサイクル抗体技術の改良により、標的抗原を血漿中から除去することを可能にした「スウィーピング抗体」技術も開発中である。
今回、設立するCPRでは、こうした独自の抗体技術を活用することにより、標的抗原の拡大を目指すと共に、抗体医薬の投与量や投与頻度の低減などを実現させたい考え。
CPRの資本金は150万シンガポールドル。従業員約60人で発足する。中外が設立するサテライト研究所としては、韓国のC&Cリサーチ・ラボラトリーズ、シンガポールのファーマロジカルズ・リサーチ、東京の未来創薬研究所に続き、4番目となる。