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【年頭所感】社会的責任果たせる環境整備を‐日本医薬品卸業連合会‐

2012年1月4日 (水)

日本医薬品卸業連合会会長 別所 芳樹

 昨年10月からの全国7ブロックの地区会議で話題の中心となりましたのは、東日本大震災に関わる危機管理流通の話題、そして流通改革と新薬価制度についてでした。

 「危機管理流通」につきましては、まずは昨年3月11日、大地震が宮城県沖で発生し、大津波が三陸海岸エリアを飲み込み、その後、福島原発の事故、それに伴う放射能問題へと拡大してまいりました。

 医薬品卸の営業所も、津波で流失したり、建物が損壊するなど大被害を受けたにもかかわらず、早期に医薬品供給機能を回復いたしました。また、被災された方もおりましたが、自らの家の片づけを後回しにして、医薬品を医療現場まで運んでいただきました。誠に頭が下がる思いです。医薬品卸は、その社会的使命を立派に果たし、日本の医療の中でなくてはならない機能だと評価をいただけたものと、自負しております。

 この経験を生かし、災害対策マニュアルガイドラインの改訂を行いました。これはメーカー・国との連携を一層深めていく内容になっており、医薬品流通の危機管理体制を、さらに充実したものにするものと期待しております。

 ただ今回の震災は、われわれに大変重い課題を問いかけたと思っております。それは、このような震災も含め、有事の際に社会的責任を果たしていくためには、かなりの設備投資が必要になるという点です。その設備投資を可能にするための、源泉である利益が必要であります。ところが、卸は今、大変な低収益にあえいでおります。このような状況をいかに改善していくのか。実はこのことが、大震災がわれわれに問いかけた一番の課題であると思っております。

 また、新型インフルエンザ対応に関しては、できることは事前に取り決めて準備するという点から、積極的に厚労省へ働きかけ、治療薬・ワクチンが国民の皆様に迅速にかつ安定的に配布できる流通スキームを一層充実させたいと考えております。

 「流通改革」につきましては、昨年の6月30日に1年ぶりに「流通改善懇談会」が開かれました。緊急提言の3項目の問題では、総価取引問題については一定の改善が見られたものの、単品単価取引はまだまだ限定的であり、単品総価が多く道半ば、さらに未妥結問題と売差マイナス問題については残念ながら悪化したという報告でした。

 薬卸連としましても流改懇に、▽単品単価取引を原則とする▽契約条件の事前明示とそれに伴う契約書等を締結する――の二つを流通当事者間の共通認識にしていただきたいという意見を提出させていただきました。今後も、多方面から意見をうかがい、行政の方々にも入っていただきながら、当事者間同士の合意を得て流通改善の共通認識を築く覚悟であります。

 「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」に関しては、12月の中医協で試行的継続が決まりました。引き続き産業論、国民貢献の観点から薬卸連としましても恒久化を支持いたします。しかし、2年前に導入が急に決まりましたので、卸・メーカーとも準備不足は否めませんでした。医療機関が全て正しい理解をしたかも疑問が残ります。引き続き相互理解を進める必要があると思われます。

 そのほか、トレーサビリティの確保を推進するため、全ての医療用医薬品に梱包単位・包装単位で製造番号・有効期限を付した流通コードのバーコード表示をつけることであります。現状ではメーカー・卸のプロジェクトで問題の擦り合わせを行い、早期実現を目指しております。これは、医薬品流通の効率化だけでなく、医薬品の早期回収に代表される医薬品の安全性の観点からも実現しなければならない課題であります。

 大衆薬市場におきましては、厚労省が考えるセルフメディケーションの啓発とスイッチOTC薬の普及政策の推進が、全ての医薬品の安全性確保を前提として、実行できるよう応援していきたいと思っております。




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