厚生労働省は、経口腸管洗浄剤のリン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウムについて、重篤な腎障害の発現リスクの高い「高血圧症の高齢者」を禁忌に追記するよう指示する通知を14日付で発出した。対象製品はゼリア新薬工業のビジクリア配合錠で、警告や慎重投与の欄には「高血圧症の患者」を加える。
同剤は、副作用症例の蓄積を踏まえて2009年5月に警告欄に急性腎不全などを加える添付文書の改訂を行っている。さらに、高齢と高血圧の2因子が重なることで急性腎不全の発現リスクが高まることが示唆されていることを踏まえ、高血圧治療中の高齢患者には慎重に投与するよう促す文書をメーカーが作成して注意喚起を図ってきた。
しかし、その後も因果関係が否定できない6例を含む急性腎不全関連の副作用報告が国内で7例集まったため、「高血圧症の高齢者」を禁忌にすることになった。
このほか厚労省は同日付通知で、抗リウマチ薬のレフルノミド(対象製品はサノフィ・アベンティスの「アラバ錠」)について、禁忌に活動性結核患者を加えるなどの添付文書の改訂も指示した。