和歌山県薬務課は14日、ウエダ薬局(本社海南市、上田文亮社長)に対し、登録販売者試験受験に必要な実務経験証明書に従事時間の水増しなど虚偽の証明書を発行したとして、同日付けで同社従業員10人の受験無効・試験合格取り消し、不合格者5人の受験無効、既に販売従事登録を行った8人の消除の処分を行った。
昨年11月に、県観察査察監にウエダ薬局が発行した実務経験証明書の内容に虚偽があるとの投書があり、調査したところ不正が判明した。
同課によると、15人は実務経験として必要な1年以上、月80時間以上連続勤務等を満たしていなかったにもかかわらず、過去3年間の試験に際し、時間を水増しした形で証明書を発行していた。ウエダ薬局は虚偽の事実記載を認めている。同課は、薬事法遵守の指導書を交付すると共に、始末書を徴収した。
ウエダ薬局は和歌山と大阪で薬局4店、店舗販売業10店を展開する。不正受験者のうち2人は、大阪府下店舗で販売従事登録を行っているため、県は大阪府に受験無効、合格取り消しを通知。また、県下の薬業関連団体に対し注意喚起文書の通知を行った。