安全性試験受託機関の化合物安全性研究所は、4月からウシ摘出角膜を用いた眼刺激性試験代替法(BCOP)の受託を開始する。ウサギを用いた試験の代替法として確立されたもので、同社は世界的に加速する動物実験廃止の流れを捉え、日本で先駆けて代替法の事業化に踏み切ることになった。
同社は、動物実験を実施した化粧品の販売を禁止する欧州化粧品指令の2013年施行を視野に、国の要請を受ける形で、約1年にわたって眼刺激性試験代替法の準備と検討を行ってきた。眼への急性刺激性・腐食性があるかどうかを評価するため、ウサギを用いて実施される眼刺激性試験は、試験物質を眼に直接投与することや、点眼に伴う苦痛が避けられないことから、動物愛護の観点から問題視されてきた。また、既に欧州では、化粧品の安全性試験として受け入れられない試験法とされ、代替法の導入が急がれていた。
こうした中、同社が確立したBCOP法は、ウシの眼球の角膜を用い、試験物質の腐食性・強度刺激性があるかどうかを評価するインビトロ試験。食用ウシの加工時に試験材料が得られ、動物を使用しないことから、動物数の削減と苦痛軽減の観点から有用な試験法と考えられている。
これまでの検討では、ウサギを用いた眼刺激性試験の評価と比べて、信頼性の高い検出データが得られたため、今回BCOP法の事業化をスタートさせることにした。