厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会は23日、予防接種制度の見直しに向けた第二次提言をまとめた。子宮頸癌や小児肺炎球菌、インフルエンザ菌b型の3ワクチンを優先的に予防接種法の対象とし、定期接種化することを盛り込んでいる。今後、今国会への改正予防接種法案の提出も視野に入れながら、早期の法案提出を目指す。
提言では、3ワクチンに水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、成人肺炎球菌の4種類を加えた7ワクチンについて、広く接種を促進していくことが望ましいとしている。
このうち3ワクチンについては、2010年度から緊急事業として、自治体と国による接種費用の助成が行われ、今年度末まで接種事業を継続できるようになっているが、提言では「13年度以降も円滑な接種を行えるようにする必要がある」としている。
民主党厚生労働部門会議の小委員会でも3ワクチンの定期接種化を優先する考えをまとめていた。ただ、3ワクチンを定期接種化すると、約1200億円の費用がかかる見込みで、定期接種の実施主体となる自治体の財源確保が必要となる。
そのため、予防接種に公的保険を適用することについて、癌検診や乳幼児検診など他の地域保健事業との関係整理や、医療保険財政が厳しい状況にあるなどの課題があり、「国民的な議論が必要になる」としている。
また、予防接種施策全般について評価・検討を行い、厚生労働大臣に提言する機能を有する新組織も設置する。予防接種部会の下に設置されているワクチン評価に関する小委員会や、部会とは独立して設置されているワクチン産業ビジョン推進委員会などは、新たな評価・検討組織と統合する。