リニューアル機に「安心」上乗せ‐高い“業務精度”支えるシステム化
クオール薬局青葉台店は東急田園都市線「青葉台駅」から歩いて15分程度の神奈川県横浜市のベッドタウン「青葉区たちばな台」に位置する。一般外来から特殊性の高い透析患者への対応、老人保健施設を中心にした在宅医療への対応まで、365日休みなく、地域医療に対応している。昨年のリニューアルを機に“システム化できるものは全てシステム化”された同店は、神奈川県内にあるクオール薬局二十数店舗の中でも、比較的多くのベテラン薬剤師を集め“高い業務精度”という面でも旗艦店に位置づけられている。
青葉台店は隣接するたちばな台病院、たちばな台クリニックの処方箋が中心だが、幹線道路に面しており、100施設を超える医療機関から処方箋を応需している。5月実績で120施設を優に上回る。近隣には有料老人ホームなどが多く、3施設の「在宅患者」にも対応している。
月平均の処方箋枚数は4500枚程度で、「施設患者」の処方箋対応は約700回に及ぶ。また、透析患者も約100人通っており、高い精度での薬剤師業務が要求される。120施設を超す受付医療機関に対応するため在庫品目数も2000を超えている。
スタッフは薬剤師11人(うちパートが4人)、事務員は9人(1人)の構成。
同店舗1階は受付、待合、四つの投薬窓口が配置され、2階に登ると全面ガラス張りの奥に最先端の調剤室を構える。2011年のリニューアルを機に、調剤機器設備会社・ユヤマとコンセプトを練り、多様な機材・機器が投入された。
本来業務の「鑑査」へ集中‐在宅への対応も柱に
地域担当の鈴木裕司氏(関東第一事業部神奈川第一ブロック長)は「およそシステム化できるものは全てシステム化した。あくまでも薬剤師が精度の高い業務ができ、それを患者様にどれだけ還元できるかということが一番大事。その補助ができる機器類として、ロボピックやエビノートなどを導入した」と説明する。
同店舗の主要400品目を収めた調剤ロボット「ロボピック」をはじめとして、錠剤分包機、全自動散剤分包機や全自動水剤分注装置など、全てのユヤマ製の調剤機器類が連動。一つの指示で、全てを稼働させられる。「どれだけ安全性を確保し、薬剤師業務をどれだけフォローできるかを追求したコンセプト店舗」という。
従来ならシステム化されているといっても錠剤、水剤など「一つの処方箋に対し薬剤師が薬を追いかけていた」のが一般的な姿。青葉台店では「まずベテラン薬剤師が、処方箋をチェックし、鑑査した後に、それぞれのポジションに振り分ける形をとっている。できたお薬は、再びベテラン薬剤師が鑑査し、間違いないことを確認した上で、1階の投薬カウンターへと送り、担当の薬剤師が服薬指導をし、投薬する」という流れになっている。
この流れを遮ることなく、「安心を上乗せするのがエビノートの一番の強み。正確にお薬をお渡しすることはもちろんだが、その先を模索しなければならない。これがあることで集中できる」とし、ユヤマの投薬画像記録システム「エビノート」がチェック体制の一環として導入されたと話す。
エビノートの高精度カメラは2階の鑑査台2カ所と1階の投薬カウンター4カ所に設置されている。天井に設置した高精度カメラで、鑑査台と投薬カウンターをコマ送りの静止画像で記録し、エビデンスとして保存している。カウンター天板上に貼付されたQRコードを処方箋などで隠すと自動記録がスタート。鑑査や服薬指導の自然な流れを邪魔しない。また、電源はLANケーブルから取るため電気工事も不要で、設置工事は簡単だ。
特に調剤室では、可能な限りの自動化と「エビノート設置場所が鑑査台」に固定されたこともあり、「他店舗と比べ薬剤師の動きが明らかに少ない。業務も各ポジションに振り分けられているので、各業務をしっかり守るスタイル。本来業務の鑑査に集中でき、精度が高まっている」と、波及効果も認める。実際、薬剤師がトレーを持って交差するような姿は見られない。
一方、投薬カウンターでは、「患者様からの『この薬が足りない』という問い合わせに対し、実際の画像から出力し、お示しした場面もあった。確実に示せるのは心強い」と語る。患者にとっても投薬する薬剤師にも「安心」につながっているようだ。
株式会社ユヤマ
http://www.yuyama.co.jp/