
医療総合サービス商社のシンリョウ(東京豊島区)は、錠剤やカプセル剤を飲み込むことができない嚥下困難な患者に“薬を懸濁させて飲ませる”ための容器「けんだくボトル」を全面改良し、販売を開始した。今回のリニューアルでは、最後の1滴まで残液が確認できるようになっている。
「けんだくボトル」は、2010年10月に販売を開始し、簡易懸濁法の普及と共に1144軒の医療機関で使われて、販売累計数は27万7230本に達している。今回、同品を使用する医療機関からの声をもとに、さらに使いやすく改良したもの。
従来品のキャップはポリエチレン製で、白色で丈夫さを求めていたが、懸濁した薬液を注入する際に薬液がキャップに隠れてしまい、「最後まで注入できたか見えにくい」といった声があった。そこで、キャップを本体と同じく透明化が可能なポリプロピレン製に変更。薬液を使い切ったことが、一目で分かるようになった。同時に本体もさらに柔らかくして、握りやすく、抽出しやすくした。
同社では、リニューアル販売に当たり、今まで試供品を試すだけで購入に至らなかった医療機関など、新たな顧客発掘に乗り出し、ユーザー数2000軒を目指したいとしている。