
アステラス製薬は前立腺癌治療薬「ゴナックス皮下注用80mg、同120mg」(一般名:デガレリクス酢酸塩)を発売した。国内向け抗癌剤は同社初。
脳の視床下部で産生されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストで、脳の下垂体に存在するGnRH受容体への結合を競合的に阻害し、前立腺癌の増殖を促進する男性ホルモンのテストステロンの産生を低下させる。
国内第II相試験と海外第III相試験では、血清テストステロン値を、一過性上昇を伴わずに投与3日目から抑制した。
初回は120mgずつ腹部2カ所、2回目以降は80mgを腹部1カ所に皮下投与する。投与間隔は4週。
薬価は80mg製剤が2万3693円、120mg製剤が2万9126円。
癌を重点領域の一つに位置づけるアステラスは、ゴナックスの投入を“エポックメイキング”としている。他に経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤「エンザルタミド」などのパイプラインを抱える。