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【18日付承認の主な新薬】喘息薬として初の配合剤が登場

2007年04月20日 (金)

 厚生労働省は薬事・食品衛生審議会薬事分科会で了承された新薬29品目について、18日付で承認した。その中には、血管新生を阻害する抗癌剤「アバスチン」、日本で初めて吸入ステロイド薬と長時間作用型β2受容体刺激薬を配合した喘息治療剤「アドエア」がある。順調に薬価収載されれば、各社とも夏頃に発売する予定だ。

【アバスチン‐中外製薬】

 治療が困難な進行性、再発性の結腸・直腸癌の治療に用いられる「アバスチン」(一般名:ベバシズマブ)は、ヒト化抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)モノクローナル抗体で、癌細胞の成長を助ける血管新生を阻害することで、癌細胞への血液の供給を遮断する。

 ベバシズマブとして1回5010mg/kgを、フッ化ピリミン系薬剤などの抗癌剤と併用して投与される。

 中外製薬では、2005年に開催された未承認薬使用問題検討会議の要請を受け、06年4月に承認申請。日本人での薬物動態、認容性が確認された国内PI、安全性試験と海外臨床試験の結果によって承認を取得した。

 国内での症例数が限られていることから、市販後全症例調査を実施して疾患データを収集し、適正使用の推進が計画されている。計画では、18カ月間にわたり2500例の疾患データの集積を予定している。

【アリクストラ‐GSK】

 血液凝固Xa因子の働きを選択的に阻害する「アリクストラ」(一般名:フォンダパリヌクスナトリウム)は、下肢整形外科手術施行患者での静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応を持つ。使用後の針刺し事故を防止するための安全装置の付いたプレフィルドシリンジが採用されており、1日1回の皮下注射で効果を発揮する。

 手術後の長期臥床例などでは静脈血栓塞栓症の発症頻度が高く、特に股関節や膝関節置換術後の塞栓症の発症率は34065%と報告されている。いったん肺血栓塞栓症が発症すると、死亡率は約30%にも達し、死亡例の40%以上が発症後1時間以内に死に至るとされている。

 下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症患者を対象とした国内の臨床試験では、プラセボに比べて75%以上の患者で発症抑制効果が得られている。また、重篤な副作用は確認されていない。

 GSKでは承認を機に、静脈血栓塞栓症の発症から02年に開かれた日韓ワールドカップへの招集が見送られたサッカー選手の高原直泰さんと共に、医療従事者に対する静脈血栓塞栓症の疾患啓発に取り組んでいくとしている。

【アドエア‐GSK】

 「アドエア」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)は、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬であるフルチカゾンと、長時間にわたり気管支を拡張させるβ2受容体刺激薬であるサルメテロールを配合した製品。

 3規格が揃えられており、軽度から重度の患者まで1剤で症状のコントロールができるのが特徴。また、二つの有効成分を同時に吸入できるため、服薬コンプライアンスの向上も期待される。

 国際的な喘息治療ガイドライン「GINA」では、低容量の吸入ステロイド剤が効果がない場合の対処法の第一選択として、吸入ステロイド剤と長時間作用型のβ2受容体刺激薬の併用が推奨されている。また、国内のガイドラインでは、軽症持続型以上の喘息患者に対する治療法として、標準療法である吸入ステロイド薬に長時間作用型吸入β2刺激薬を加えることが勧められている。

【ウリトス錠0.1mg、ステーブラ錠0.1mg‐杏林製薬・小野薬品】

 過活動膀胱治療剤であるイミダフェナシンは、杏林製薬が創製し、杏林と小野薬品が共同開発したもの。杏林が「ウリトス錠0.1mg」、小野が「ステーブラ錠0.1mg」の製品名で販売する。

 同剤はムスカリン受容体サブタイプのM3、M1に対して選択的な拮抗作用を示す新規の抗コリン剤で、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。

 膀胱選択性も高いことから、口渇(口内乾燥)を軽減でき、過活動膀胱の患者のQOL向上に貢献できるものと期待されている。

【オルベスコ‐帝人ファーマ】

 喘息治療剤「オルベスコ」(一般名:シクレソニド)は、肺のエステラーゼで分解され、活性代謝物に変換されることで効果を発揮する吸入ステロイド剤。薬理学的、薬物動態学的な特性によって肺内に長時間滞留するため、1日1回の投与で効果が持続する。

 「オルベスコ」はシクレソニドが溶液となったエアゾール剤で、薬剤の粒子径が1.102.1nmと小さいため、胚内への到達率が高く、また口腔内への付着が少ないことから、局所副作用の嗄声、口腔内カンジダ症などの軽減が期待されている。

【ゼチーア‐シェリング・プラウ、バイエル薬品】

 高脂血症治療剤「ゼチーア錠10mg」(一般名:エゼチミブ)は、シェリング・プラウ・コーポレーションが創薬した世界初の小腸コレステロールトランスポーター阻害剤。小腸からの胆汁性、食事性コレステロールの吸収を選択的に阻害するのが大きな特徴で、既存のHMG”CoA還元酵素阻害剤(スタチン製剤)、陰イオン交換樹脂(レジン製剤)とは全く異なる作用機序を有する。

 これまでの検討から、単独投与でLDLコレステロールを約18%低下させることや、スタチン製剤単独で十分な効果が得られない症例に併用することで、LDLコレステロールをさらに約25%低下させる結果が得られている。小さな錠剤でのみやすく、腸肝循環して小腸局所で長時間作用するため、1日1回の投与で良好なコンプライアンスが期待できる。主要代謝経路はグルクロン酸包合で、生体内でCYPが関与する代謝を受けない。

 国内では薬価収載後、シェリングプラウとバイエル薬品が共同販売する。

【ネスプ静注用シリンジ‐キリンビール】

 「ネスプ静注用シリンジ」(一般名:ダルベポエチンアルファ遺伝子組み換え)は、人工透析による腎性貧血患者に用いられる遺伝子組み換え型のヒトエリスロポエチン製剤。アミノ酸配列の一部を改変して、新たに二つの糖鎖を付加したことで、血中半減期が延長し、持続的な赤血球増加作用が期待できる。エリスロポエチン製剤からの切り替えで使用する。

 キリンビールが販売してきたエリスロポエチン製剤「エスポー」が週3回投与であるのに対し、ネスプは週1回投与で貧血症状の改善が得られている。また、症状の改善状況に応じ、2週間に1回の投与に切り替えることも可能。

 用法・用量は、成人に対して週1回15060μgを静脈内投与。週1回投与で症状の改善が維持されている場合には、1回の投与量の倍量である300120μgにすることで、2週間に1回の投与間隔に変更することができる。また、腹膜透析患者で2週間に1回の投与間隔で症状の改善が維持されている場合には、その時点での1回投与量の倍量である1回600180μgに切り替えることで、4週間に1回の投与間隔に変更することが可能となる。

【アクトネル錠、ベネット錠の週一回製剤‐味の素・エーザイ・武田薬品】

 有効成分のリセドロン酸ナトリウム水和物は、味の素と武田薬品が共同開発したビスホスホネート系薬剤。骨粗鬆症治療薬として、1成分2名称で味の素から販売権を取得しているエーザイと武田薬品が1日1回投与の2.5mg錠を販売してきたが、今回、「アクトネル錠17.5mg」(エーザイ)、「ベネット錠17.5mg」(武田)が週1回投与製剤として承認された。

 リセドロン酸ナトリウム水和物は、米ノルウィッチ・イートン社(現プロクターアンドギャンブル)が合成したもので、大規模臨床試験で臨床椎体骨折および非椎体骨折の発生頻度抑制が6カ月の早期から認められており、大腿骨頸部骨折発生頻度を主評価項目とした大規模臨床試験での有効性も確認されている。

 承認された週1回投与製剤は、国内で実施した第3相二重盲検比較試験で、1日1回投与製剤と同様の有効性及び安全性を確認。加えて、服用回数が1日1回から週1回となることで服薬コンプライアンスの上昇による患者のQOL向上が期待される。




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