■目立つ学長・学部長の内部昇格
薬系大学では数年来、病院薬剤部を中心に臨床系からの教授登用が続き、今年度も少なくとも12人の臨床系出身教授(准教授含む)が誕生したことが、本紙調査で分かった。基礎系教授についても、多分野からの就任が散見された。このほか教室等の新設に加え、寄附講座設置も続いている。また、神戸薬科大学学長に薬化学教授の棚橋孝雄氏、東京薬科大学学長には名誉教授の長坂達夫氏が内部から就任、さらに新薬学部長として国際医療福祉大学の武田弘志、東京薬科大学では平塚明、徳島文理大学香川薬学部では原山尚の各氏がそれぞれ内部昇格するなど、トップ人事が目立った。各大学における今年度の新任教授、前年度末の退任教授、研究室(講座)の新設や名称変更、改組は次の通り。
■東北大「放医研との連携を」、城西大「教育内容を多様化」
▽北海道大学
新設:神経病理・病態生化学(寄附分野:客員教授、現・東京大学大学院医学系研究科)井原康夫、医薬品リスク管理学(06年12月1日付、寄附分野:客員教授、現・アインファーマシーズ代表取締役)大谷喜一
[1]新任教授は教室名、カッコ内に前職、氏名の順に記載し、前職欄に「現・」とあるのは兼任[2]日付を記載したのは、新任が前年度途中の発令と今年度中の発令予定、退任は3月31日付以外のケース[3]新設教室等は主宰者が助教授・講師の場合も掲載[4]改称・改組、退任のカッコ内は旧教室名 |
▽北海道医療大学
新任:分子生命科学(同助教授)青木隆
退任:渡部博之(分子生命科学)、大野孝正(薬理学)
▽北海道薬科大学
新任:病態科学(同助教授)江川祥子、薬物治療学(同助教授)早川達・早勢伸正、医薬化学(同助教授)伊藤慎二、薬剤学(同助教授)渡辺一弘
名称変更:臨床薬剤学(薬物治療学)猪爪信夫、社会薬学(臨床薬剤学)黒澤菜穂子
▽東北大学
新任:医薬製造化学(東京大学薬学系研究科天然物合成化学助教授、06年5月1日付)徳山英利、超分子解析化学(医薬資源化学助教授、07年3月6日付)倉田祥一朗、分子細胞生化学(東京大学薬学系研究科衛生化学助教授)青木淳賢、薬物療法学(東北大学病院薬剤部副部長・助教授)菱沼隆則、医薬開発構想寄附講座(反応制御化学)坂本尚夫・客員教授
退任:坂本尚夫(反応制御化学)
新設:分子イメージング薬学・連携講座(放射線医学総合研究所チームリーダー)入江俊章・客員教授 名称変更:生命機能解析学(超分子解析化学)倉田祥一朗、分子細胞生化学(機能分子生化学)青木淳賢、薬物療法学(分子生物薬学)菱沼隆則
▽東北薬科大学
退任:佐藤継雄(薬事法)
▽国際医療福祉大学
新任:薬学部長・武田弘志(副学部長)、医療薬学(信州大学病院副薬剤部長)旭満里子、薬事管理学(ブリストル・マイヤーズ薬事統括部長)佐藤拓夫
▽城西大学
新任:生物統計学(武田薬品医薬品開発部主席部員)寺尾哲、臨床栄養学(大宮総合病院健康管理センター部長、内科部長)中島啓
退任:小原正明(小原研究室)
新設:06年9月5日付=生薬学(白瀧研究室)白瀧義明、皮膚生理学(橋本研究室)橋本フミ恵、薬物治療管理学(病院薬剤学教授・兼担)森本雍憲、臨床病態学(横田研究室)横田千津子、4月11日付=栄養生理学(東北大学医学部老年呼吸器内科助手)沼崎宗夫、分子免疫学(帝京大学薬学部生物化学助教授)荒田洋一郎、機能性食品科学(食品機能学講座教授・兼担)和田政裕、毒性学(衛生化学助教授)工藤なをみ・准教授 名称変更:化粧品動態制御学(臨床薬物動態学、06年9月5日付)杉林賢次、製剤学(薬物治療学、06年9月5日付)夏目秀視、食毒性学(臨床栄養学、4月11日付)加園恵三
▽日本薬科大学
新任:漢方薬学科(東北大学未来科学技術共同研究センター客員教授)相原弘和、健康薬学科(昭和大学薬学部臨床分子薬品学助教授)青木公子、医療薬学科(科学技術研究所分析化学部長)小島孝一
▽東邦大学
新任:生化学(同助教授)高橋良哉、薬物学(同助教授)田中光
退任:後藤佐多良(生化学)、重信弘毅(薬物学)
名称変更:生物物理学(物理学教授、06年10月1日付)長濱辰文
▽東京理科大学
新任:臨床薬理学(筑波大学人間総合科学研究科講師)谷中昭典、薬物代謝学(長崎大学医歯薬学総合研究科助教授)樋上賀一、医療安全学(みなし専任・教授)小茂田昌代
退任:宇留野強(臨床薬学)
名称変更:公衆衛生学(社会・情報薬学)鈴木潤三、臨床薬剤学(社会・情報薬学)海保房夫・准教授
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