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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】なんそう薬局(シンリョウ)

2013年07月31日 (水)

「薬剤師の認知」求め在宅推進‐「健康のための場所」を見据えて

開設から4年目に向かう「なんそう薬局」

開設から4年目に向かう「なんそう薬局」

 千葉県のJR内房線「五井駅」から太平洋に向けて伸びる単線・小湊鉄道線の「上総牛久駅」にほど近い場所に「なんそう薬局」がある。主に隣接の「みつはし内科クリニック」の処方箋を受け、休日の木曜日は代表取締役で管理薬剤師の金田仁志さんが、集中的に在宅患者を訪問、薬物療法の支援をしている。もともと病院勤めで、長らく病棟業務に就いていた経験を背景に、褥瘡をはじめとしてベッドサイドでの見立てが、処方変更などにも反映され、患者QOLの向上につながっている。地域で「健康のための場所」になることが、次なる夢だと語る。

近隣医と共にジェネリック医薬品推進
金田さん

金田さん

 金田さんは7年ほど病院薬剤師を務めた後、縁があって、みつはし内科クリニックの開設と共に隣接地に開局した。ほぼ3年を経過した今、1日約50枚の処方箋を受けている。薬剤師は他にパート1人という構成だ。

 クリニックは一般内科だが、高齢者比率が高く、必然的に他科までと守備範囲は広い。従って、なんそう薬局が抱える在庫品目数も多く900を超す。また、ジェネリック医薬品(GE薬)の比率は35~40%に達する。

 もともとはクリニック院長はGE薬を好まなかったが、患者さんのGE薬に対する要望に応え、金田さんがGE薬の流通状況などの情報を収集、院長に提供し、納得できるGE薬のリストが作成された。

 病院勤務からの転身について「病棟業務の経験を踏まえ、もっと患者さんと接したかった。それがあって開局に踏み出せた」と語る。ただ「最初は少し抵抗、違和感があった」という。「入院していた人が良くなったら退院する。クリニックは退院後のフォローをするので、これから元気な人を対象にするんだと思った」とも語る。

居宅訪問に向け患者ごとのファイルを確認

居宅訪問に向け患者ごとのファイルを確認

 一方で、「薬剤師が箱の中にいては駄目。外に出ないと。その意味では在宅への取り組みは、薬剤師の認知につながる重要な仕事」と感じたという。病院勤務時代、他の医療スタッフと協働するのは当然だったが、地域に出た途端、ある種の“孤立感”を感じたのかもしれない。

 そんな開局当初、近隣の病院から在宅患者の対応依頼があり、それをきっかけに、現在では15人の在宅患者を受け持つようになった。主に休日の木曜日には患者宅を金田さん1人で訪問している。

 ただ、受け持ち患者のうち『報酬』が請求できているのは、半数程度であり、経済的な面からも1人で対応せざるを得ないという。また患者のほとんどが近隣病院からの紹介で、病院の担当医とも連携は密だ。月に1回は病院カンファレンスに出席している。

 出動範囲は広く「患者さんの中には、車で30分以上かかる山奥の方もいる。こういう地域で半径16kmの制限はどうかと思う」と、無薬局地域ならではの苦悩を語る。

 現場では「薬に関する副作用やコンプライアンスの問題など、主治医にフィードバックする。しかし訪問できるのは月に2回程度。ヘルパーさん頼みになるので、管理しやすいよう工夫している」という。

 褥瘡管理など病棟業務での経験は豊富だが、基本はコンプライアンスの維持。それも日常的な管理はヘルパーや家族が中心だ。そこで金田さんは適宜、指導・助言はしているが、「ヘルパーさんが患者さんに『お薬飲んだ』と聞いて、飲んでなくても『飲んだ』と言われたら終わり。そこでシンリョウさんのポケットカレンダーを活用している」という。

段ボールで強化した「お薬カレンダー」を提供

段ボールで強化した「お薬カレンダー」を提供

 金田さんはポケットカレンダーを段ボールに貼り付け、オリジナルの“お薬カレンダー”に仕立て無償で提供している。当初は、直接カレンダーに貼っていたが、「その作業だけで、ものすごい時間になってしまう」ため切り替えた。

 訪問先ではお薬カレンダーに一包化薬をセットしながら患者、家族など介助者と対話、必要な情報を収集している。カレンダーは1週間分の設定のため数セット提供、台所など目立つところに設置している。「例えばヘルパーさんが来て、『今日は飲んでないね』と、薬を出してもらえる。誰が見ても、飲んでいるか否かが分かる」と、設置場所にもこだわりがある。

服薬習慣の支援で薬袋も工夫
オリジナルの薬袋で飲み忘れの注意喚起

オリジナルの薬袋で飲み忘れの注意喚起

 一方、外来患者に対してはコンプライアンスを維持する工夫として、シンリョウに依頼し「なんそう薬局オリジナル薬袋」を作製している。裏面にチェックボックスを印刷し、患者自身がチェックし、飲み忘れ防止につなげている。「特に1日おき、1週間おきに飲む薬に有効」と、金田さんの配慮が薬袋デザインに反映されている。投薬カウンターでも、コンプライアンスの重要性を印象づける意味も込め、薬袋裏のカレンダーを示し、その活用法を説明する。

 金田さんは「薬局は比較的、元気な人を相手にしているイメージ。この方たちがさらに体調を崩さない、病状が悪化し入院ということにならないように努力したい。また、薬局が地域にとって、健康のための場所になればいいかなと思う。薬だけでなく、薬局主体で催し物ができればと思う」と、第2の薬剤師人生の夢は広がる。

シンリョウ
http://www.shinryo.jp/




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