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【CSOのいま】国内で広がり見せるCSOの戦略的活用、内資・準大手でも波及‐日本CSO協会

2013年8月19日 (月)

会員企業:▽IML▽アプシェ▽アポプラスステーション▽インヴェンティヴ・ヘルス・ジャパン▽オースクエア▽クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン▽シミックエムピーエスエス▽ファーマネットワーク▽メディサイエンスプラニング(50音順)

会員企業:▽IML▽アプシェ▽アポプラスステーション▽インヴェンティヴ・ヘルス・ジャパン▽オースクエア▽クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン▽シミックエムピーエスエス▽ファーマネットワーク▽メディサイエンスプラニング(50音順)

 CSO(医薬品販売業務受託機関)が国内で生まれて15周年を迎えた。日本CSO協会会員社のコントラクトMR(CMR)は3365人となり、全MR数の5・3%を占めるまでに上昇。製薬企業の外部リソース活用が加速した格好だ。外資製薬企業が先行導入していたが、内資でもCMRを大規模に活用する動きが、大手から準大手へと広がっている。今後は、癌・中枢神経系のスペシャリティ領域のMRや権威向けに学術的な情報を提供するメディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)など、専門性の高いサービスへの需要が高まると見られる。同協会では2015年には、アウトソース率8~10%、CMR数5000人の目標を掲げる。


活用率は5.3%まで上昇‐大規模導入や癌・中枢神経系でも

 国内の医薬品市場は、数年前から世界全体の約10%と頭打ちとなっているが、MR数は依然として増え続けている。大型製品の特許切れやジェネリック医薬品(GE薬)の使用促進を背景に、MR数減少がささやかれる中で、抗体医薬の新薬ラッシュ、GE薬や長期収載品を扱うMR数の増加もあり、11年度では前年度比4・3%増の6万3875人まで膨らんだ。

 中でも、製薬企業からCSOへのアウトソースの加速が顕著となっている。CSO協会会員社が抱えるCMR数は、09年度の1769人から、12年度には年率23・9%増の3365人と増えた。CSO活用企業数も52社から70社、CMR活用比率は3・0%から5・3%に拡大した。活用企業数が増えたことで、CSO市場の裾野が広がり、1社当たりの活用CMR数も右肩上がりで増えている。

 当初は外資系大手に限定されていたCMRの大規模活用についても、昨年から内資企業、さらにMR1000~1499人規模の準大手までに波及している。

 内資企業では、パイロット的な活用として、30~40人程度の導入にとどまっていた。それが大型プロジェクトによる新薬上市時の垂直立ち上げとして、100~200人規模をCSOにオーダーする事例も出ているという。また、エリアや支店全体を請け負うCSOマネジメント型プロジェクトによる営業生産性向上、中堅企業への領域専任、調剤薬局対応などで活用されている。

 一方、先行導入する外資系企業では、MSLや看護師などの専門スタッフが医療従事者向けに教育・啓発するエデュケーショナルナース等の新たなアプローチ、患者掘り起こしサービスなどの新規サービスが広がる。

 CSOを活用するメリットは、MRを製品市場戦略に応じて、様々な使い方ができる柔軟性にある。同協会の調査結果では、製薬企業の使用目的について、「主力品強化」「欠員補充」「新薬上市」の順で上位を占め、「エリア強化」「長期収載品強化」「非注力品カバー」が続く。従来からの「中途採用のリソース」が減る一方、「GE薬普及」「調剤薬局対応」「産休対応」が急増した。

 医療を取り巻く環境が変化したことで、必要なときに必要なだけMRをアウトソースできるCSOの需要が高まっているといえる。

 特に製薬企業の新薬開発パイプラインがスペシャリティ領域にシフトする中、癌・中枢神経系領域に対応できるCMRに期待する声が大きい。「循環器系」「糖尿病」などのプライマリケア領域に加え、「中枢神経系」を経験したCMRが、全体の約3割に上った。

 この傾向は、製品の担当状況にも反映されており、CMR全体のうち、ジェネラルMRが38・7%、事業部制MRが30・4%であるのに対し、専門MRも27・9%登用されている。従来のジェネラルMRから癌・中枢神経系領域、中核病院や大学病院を担当するCMRも伸びている。

図:CMR数の推移

異業種出身を早期戦力化‐内資はまだ“経験者志向”

 異業種出身者を中途採用し、早期戦力化するのもCSOの事業モデルである。11年に異業種出身者が58・9%、経験者が41・1%となっていた割合は、12年に異業種出身者が51・3%、経験者が48・7%とほぼ半々となった。異業種出身者がCSOの成長の源泉となっている一方、契約期間満了後に経験MRとして次のプロジェクトに再配属されるケースが増加した。

 外資・内資で経験者・異業種出身者比率を比較してみると、外資系企業は異業種出身者ニーズが高い傾向にあるが、内資企業は経験者比率が高くなっている。

 外資系企業を中心に大型先発品の特許切れや、薬剤師の影響力の高まりで処方決定権者の変化など、市場や社会環境の変化に応じて、多面的なCSO活用を展開する機運が高まっており、機動力に富んだ異業種出身者を幅広く活用するようになってきている。一方、内資企業は、今年度のCMRの大規模化を進めるに当たり、経験者の安定感をより重視した格好だ。

 CSOでは人材教育体制を武器に、MR派遣・業務受託だけでなく、製薬企業のMR向けの教育事業も手がける。MR認定試験合格までの導入教育や、その後の継続教育などで教育研修を行っている。採用代行業務を含め、CSOがMR採用から育成までを担う。

欧州と日本では大きな差‐新規サービスの創出が課題

 とはいえ、これでも海外のCMR活用率と開きがあるのが現状。CSO発祥の地である英国は約26%、ドイツでは約16%、フランスでは約14%、米国では約6%と日本よりも高い割合となっている。

 欧米では新薬パイプラインにおけるプライマリケアとスペシャリティケアの構成比が逆転し、高度な専門人材をいかに確保していくかが課題となる。

 CSOの戦略的活用が進み、製薬企業個別の要望に応えられるかも差別化につながるだろう。実際、CSOへの問い合わせ依頼が増えている模様で、一般名処方の普及で調剤薬局・病院薬剤部対応、市販後調査(PMS)、MSLなど機能分化型MRを供給しており、製薬企業のマルチチャネル型の情報提供の中で、CSOのプレゼンス向上を目指す。将来的には、事業部全体・営業・マーケティング全体の包括型サービスといった新たなサービスも普及する可能性がある。

 11年に設立した日本CSO協会では、医薬品産業のアウトソーシングパートナーとして、医薬品のマーケティング・販売で高品質なサービスの提供を目指している。個々の企業でバラツキのあった質を標準化し、共通指針のもとでCSO全体の質を向上させることで、顧客である製薬企業からの信頼確立に取り組む。会員社9社は親会社がCRO、外資系、調剤薬局チェーン、総合商社とそれぞれ異なる基盤を持っており、特徴あるサービスを生み出そうと懸命だ。


この記事は、薬事日報2013年4月15日号に掲載された記事です。


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