厚生労働省は10日、2012年度の医療保険と公的負担医療分を合わせた概算医療費を発表した。前年度比1・7%増の38兆4000億円と10年連続で増加し、過去最高を更新したが、受診延べ日数の伸び率の減少幅が大きかったため、3%台で推移していた伸び率は鈍化した。調剤医療費(電算処理分)は1・2%増の6兆5902億円となったが、7・9%増加した11年度に比べて伸びが鈍化した。処方箋1枚当たりの調剤医療費は、0・3%減の8400円とわずかに減少した。後発品割合は数量ベースで28・7%となった。
調剤費は微増の6・6兆円
医療費の内訳を見ると、入院が2・5%増の15兆6000億円、入院外+調剤が1・1%増の20兆円、歯科が1・4%増の2兆7000億円となった。70歳以上の高齢者の人口増などの影響もあり、単価を示す1日当たり医療費の伸び率が2・6%増加したものの、診療実日数を示す受診延べ日数の伸び率が0・9%減少したことから、全体の医療費も1・7%の伸びにとどまった。厚労省保険局調査課は、「高齢化と医療の高度化が進んでいるが、全体的に伸びは落ち着いた」としている。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。