東京大学病院22世紀医療センターと埼玉医科大学ゲノム医学研究センターなどの研究グループは、γグルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)を肝臓のみで欠損するマウスの作製に成功し、そのマウスが出血傾向を示すことを見出した。また、この遺伝子改変マウスは寿命が短縮するものの、オスよりもメス(妊娠していない)の方が長生きという結果を得た。同研究の技術を用いることにより、肝臓をはじめ、特定の臓器のみでビタミンKの作用を欠損したマウスを作製することが可能となり、今後、全身における多彩なビタミンKの作用解明が期待される。
ビタミンKは緑黄色野菜や納豆に多く含まれ、臨床的には新生児の頭蓋内出血の予防や、加齢や医薬品等に使われるステロイドによる骨粗鬆症の治療に用いられている。また、疫学研究によりビタミンK不足が動脈硬化や認知症、悪性腫瘍の危険性を上げる可能性も報告されている。
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