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【薬局業務の効率化と質的向上をめざして】かえで薬局(東日本メディコム)

2014年7月30日 (水)

“先確認”の徹底で質向上‐本来の姿をシステムが支援

 今年の調剤報酬改定の中で、「服薬状況並びに残薬状況の確認及び後発医薬品の使用に関する患者の意向の確認のタイミングを、調剤を行う前の処方箋受付時とするよう見直す」と明記された。当然のことだが、ある意味では明記が必要な状況にあるともいえる。千葉県四街道市、JR四街道駅からは車で10分程度の郊外に位置する「かえで薬局」(妹尾和彦代表取締役)では、処方箋の受付後、まず薬剤師による服薬状況等の確認を行う。並行して暫定的に必要な薬剤取り揃えを行うという“先確認”を徹底している。

 同薬局の主な処方箋発行機関は隣接する栗山中央病院(92床)で、1日約100枚を応需。このうち95%程度が栗山中央病院だが、処方箋受付機関は七十余と幅広い処方箋が持ち込まれる。従って、妹尾氏は現場に対し「1枚の処方箋を見て、本当にこの薬だけしか飲んでいないか、疑問をもち、その他の飲み合わせを確認しよう」と話している。

 その意味でも他院の処方箋、あるいはお薬手帳の持参が、かかりつけ薬局機能を発揮する上では望ましい。「お薬手帳は併用薬チェックや薬剤師が必要な情報を他の医療従事者へメッセージとして伝えるのが目的。患者さんのために何ができるかを考え、その必要性を説明すれば伝わるはず」と語る。その現場実践の甲斐あってか、お薬手帳の持参率は比較的高い。

 妹尾氏は「処方箋を受け取った時に、いろいろな意味で、まず監査するのが薬剤師の仕事。その中には併用薬チェック、残薬確認、あるいは今の体調で本当にこの処方がいいのか。それらを全部確認した後に初めて、薬を作るというのが基本です」と話す。

 ただ、全て終えてから調剤となると、確実に待ち時間は増えてしまう。そこで「同時に取り揃えは進めます。患者さんとの会話の中で、当然、疑義照会も発生します。問題があった時には、調剤室に、取り揃えを一時中断してと言っておけば、いいわけです」という。

 その後「監査が全て終わり、今日の状態でこの薬を出していいと判断した時に、初めて調剤は完了し、会計もできます」と語る。

取り揃えは同時進行
野末さん(右から2人目)ほかスタッフの皆さん

野末さん(右から2人目)ほかスタッフの皆さん

 患者側の動線について管理薬剤師の野末政夫氏に聞いた。

 まず、患者は「処方箋受付窓口」に処方箋を出し、次いで「お薬説明窓口」で薬剤師から処方をめぐる質疑が交わされ、新しい薬の服用方法なども含め、必要な服薬指導も行われる。三つある窓口に患者が座ったり、薬剤師が患者の傍に行って寄り添うように話したり、患者さんの状態やその時の状況に応じて臨機応変に対応している。その後は、「お薬受渡し窓口」で薬が渡され、会計が完了するという流れだ。

入力された処方箋データと薬歴などから問題点等を抽出

入力された処方箋データと薬歴などから問題点等を抽出

 一方の調剤室では最初の処方箋情報(コピー)に基づき、取り揃えが行われる。途中、「お薬説明窓口」での監査上、何らかの問題、変更が生じた場合には、調剤室に伝えられ、途中で作業は中断、もしくは取り揃え済みトレーに「疑義中」カードなどが載せられるなど、窓口での対応状況が反映される。最終的に窓口薬剤師からの“GOサイン”に従い、最終監査を経た薬が、「お薬受渡し窓口」へと運ばれる。

 なお、窓口側からの情報で処方変更されるのは1日当たり10件程度。その理由の多くは「残薬、ジェネリックへの変更などへの対応」だという。

 患者は最後に「お薬受渡し窓口」で薬を受け取り、会計を済ますが、そこには一般的な会計直前のお薬説明、患者からの質問の光景は皆無に近い。既に調剤前に十分な説明を受け、納得を得られていることがうかがえる。

重要なアドヒアランス維持

 さて、この窓口での電子薬歴等を用いた監査と、調剤室での取り揃えという2方向への情報伝達、トータルの調剤業務を支えるのが、東日本メディコムの「Drugstar Prime(ドラッグスター・プライム)」だ。妹尾氏は「コンセプトがうちの方針と合致したので、ドラッグスター・プライムを導入し、“先確認”を始めました」という。システムが妹尾氏の想いを後押しした。野末氏も「先確認にする際、協力しながら薬歴システムを築き上げ、使いやすいものにしてくれました」と振り返る。

 当初、現場認識として、従来パターンからの切り替えが、難しい面もあったという。そこで妹尾氏は「薬を取り揃えて間違いなく出すのが薬剤師の仕事ですか?今日、今の状態でこの薬を出していいか判断し、そしてまずはその薬を飲んでもらうことが薬剤師の仕事ですよね」と問いかけ、語りかけ、理解してもらったという。先確認が定着すると、その方が業務の流れとしては自然なので、今さら従来のやり方には戻せないという。

壁面いっぱいに一包化の有用性をPR

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 新患の場合、どの薬局でも最初に書面アンケートで基本情報の収集がされるが、同薬局では「薬を飲み忘れることがありますか?」の一項目が盛られている。「忘れる」にチェックがある場合、一包化を提案している。

 妹尾氏は「医療費削減の一つとして効果があるのは、コンプライアンスが大きく改善する一包化。ただ、一方的に言っても、飲んでくれない。その患者さんの事情、生活パターンもあります。やはり、アドヒアランスを意識することが重要です」という。

 さらに「今まで飲んでなかった人が飲み出すと副作用が起こる可能性もあります。その情報を集め、副作用が出る前に患者さんに、どうフィードバックできるかが重要」と指摘する。

 今後は、もう一歩踏み込んだ患者情報を電子薬歴に載せ、より質の高い個々に合った薬剤管理指導の徹底ということを、近未来のイメージに掲げ、妹尾氏は薬局運営を進めるという。

 在宅患者への対応にも取り組む方針だ。現在、近隣の老人ホーム80人分の調剤を担当しているが、薬剤師による管理指導には至っていないのが現状だ。「通院困難になり在宅に移行した患者さんも、最後まで責任をもつというのが基本的な考え方。従って地道に少しずつ増えていくと思う」と、静かに、そして力強く妹尾氏は語る。

かえで薬局(東日本メディコム)
http://www.e-medicom.co.jp/shohin02/dsp/index.html




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