日本医師会は定例会見で、2006年度緊急レセプト調査の中間速報を示し、4月のレセプトデータから、診療所の総点数が前年を6%近く下回ったことを明らかにした。今月から調査を全国に拡大していく予定で、医業経営に深刻な影響を与えているならば、今年度中にも逐次、中央社会保険医療協議会等へ再改定を求めるなどの方針を示した。
中間速報は本格的なレセプト調査を行うに当たってのプレ調査で、北海道、石川、静岡、福岡を対象に実施、369診療所からの回答を集計したもの。4月の診療所の総点数は、前年に比べ5・39%と大幅に減少、1件当たり点数が3・34%低下すると共に、患者数(件数)も前年を2・69%下回った。診療科別の外来総点数では、皮膚科と精神科が10%以上の減少、診療報酬改定で配慮された小児科は1・5%、産科は3・0%の小幅な減少にとどまった。
日医によれば、詳しい分析はこれから。特に、入院で医療療養病床が7月から新たな診療報酬体系となることから、現段階では病院に関する分析は行っていない。また今月から、全国の会員医療機関から5%程度を抽出し、全国的なレセプト調査を実施する予定である。
会見で日医執行部は、「秋口にも全国調査を終え、分析を急ぎたい。特に、医療療養病床の3カ月程度の動向を把握することが重要だ。10月以降の詳細な分析により、問題があれば再改定を働きかけていきたい」と述べた。