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硝酸薬、胸部貼付の確認を”AED使用で重要性高まる

2006年6月2日 (金)

 一般市民に自動体外式除細動器(AED)の使用が認められたことを受け、日本循環器学会は昨年、「心臓病患者への硝酸薬貼付剤は、前胸部を避けて貼ることが望ましい」と提言した。しかし現実には市民、医療者の87%が、硝酸薬貼付剤を胸部に貼ると考えていることが、古川裕之氏(金沢大学病院臨床試験管理センター)の調査で明らかになった。AEDの市民向け講習会では、練習用の機器による事故も発生しており、使用時には胸部に貼付剤が貼られているか確認を行うよう十分な説明が望まれている。

 心臓病患者は、硝酸薬貼付剤を胸に貼っているケースが多いが、不測の心停止に対しAEDを使う場合には、貼付剤を直前に剥がすよう指導されている。だが、緊急時にはそれが忘れられる可能性もあり、硝酸薬貼付剤はAEDの妨げにならない部位に貼ることが推奨されている。また、製薬会社に添付文書への加筆を求めると共に、医師、看護師、薬剤師に患者への指導を求めている。

 こうした中、古川氏は2005年10月006年4月にかけて、市民(男女各100人)、医師(45人)、看護師(300人)、薬剤師(保険薬局132人、病院・診療所150人)の合計827人を対象に、硝酸薬貼付剤の貼付場所とその理由などにを調査した。

 その結果、貼付場所については、一般女性の74%、一般男性の85%、医師の89%、看護師の99%、薬局薬剤師の76%、病院診療所薬剤師の85%が「胸部」と回答した。これに対し「上腹部」は11033%、「背部」は4014%と、胸部に比べかなり少なかった。

 貼付場所を選んだ理由については、一般市民で「心臓に近い」の回答が半数を超え、次いで「貼りやすい」「確認しやすい」との理由が挙がった。一方、医療者では全ての職種に共通して、「貼りやすい」「確認しやすい」「心臓に近い」の順に回答が多かった。

 貼付場所としては、全体の87%が「胸部」と回答したため、古川氏は「前胸部を避けて貼るという学会の提言を守ることは、簡単ではないように思われる」との見方を示した。AED使用の講習会で、「AED使用時には、胸部に貼付剤が貼られているかどうか確認する」ことの説明が望まれると指摘した。

 また、同じ調査で「AED使用に先立ち貼付剤を剥がしたとき、それを緊急搬入先の医療機関に情報の一つとして見せる必要があるか」と聞いたところ、全体で「必ず見せる必要がある」との回答が59%、「できれば見せる必要がある」の回答が32%であった。

 このことから、AED使用後に救急車で搬入された医療機関で治療時の参考となるように、「剥がした貼付剤は救急隊員に手渡し、医療機関に情報の一つとして伝達する」ことも、講習会で説明すべきと述べた。

 現在、全国の地方自治体や医療機関で、AED使用に関する市民向け講習会が行われている。しかし今年に入って、練習用機器を使用して患者に健康被害が発生する事故も起きている。それだけに正しい情報提供の必要性が、一層高まっている。




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