日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が主催する第25回JAPANドラッグストアショーが8日から10日までの3日間、東京有明の東京ビッグサイトで開催された。注目された会期中の来場者数は8日が2万6969人、9日が3万1418人、10日が4万1123人で3日間合計は9万9510人だった。目標としていた10万人にはわずかに届かなかったが、前回より1500人以上増加した。
今大会のメインテーマには「地域の皆様に最高の未来をお届けする―ドラッグストアでセルフメディケーションNEXT25」を掲げ、出展社数は398社、出展小間数は1302小間に及んだ。各社が趣向を凝らしたブースは相変わらず目を引き、夏休み中の家族連れの姿なども数多く見られた。開催時期や開催場所の変更などはあったが、コロナ禍以前の賑わいを完全に取り戻したと言えるのではないか。
ドラッグストアショーで注目された一つが、一般来場者向けイベントコーナー「チャレンジ・パーク」だろう。健康で快適な暮らしを送るために必要なことを楽しく学べる企画を実施。防災の日が近いことから、自治体や数多くの防災イベントを開催している企業と連携し、楽しく防災対策を体験できる「防災ヒーロー入団試験、あそび防災“防災スリッパ作り体験”」などを開催。関心を集めた。
また、お仕事体験コーナーでは、薬剤師や科学博士、消防士などの仕事を体験することができた。そのうち、毎年好評の「こどもやくざいし体験薬局」は今回、規模を拡大して開催した。各社の就職面談などで薬剤師を志望した理由を問うと、「こどもやくざいし体験」を挙げる事例も出てきているとのことで、長年開催し続けた成果が現れている。今回は薬局らしさのさらなる向上を目指した格好であり、高い人気を誇った。
JACDSの24年度ドラッグストア実態調査結果によると、ドラッグストア業界の売上高は10兆円の大台を突破し、地域生活者にとってなくてはならないインフラとなっている。JACDSの塚本厚志会長は、売上高10兆円達成について、「ドラッグストアが単に商品を販売しただけでなく、国民の生活を守る生活拠点として、その機能を発揮したからではないか」との考えを強調している。
こうした中で、25回目を数えた今回のドラッグストアショーの賑わいを目の当たりにした。ドラッグストアの商品やサービス、取り組みなどを、世の中へさらにアピールすることができ、また、業界内での共有も推進されたであろう。
「2030年13兆円産業化」の実現、「NEXT25」という言葉に因んだ次の25年後のドラッグストアがどうなっていくのかという未来予測など、今後もドラッグストアが注目を集め続けていくことは間違いないはずである。