富士フイルムホールディングスは、6月1日付で取締役執行役員の助野健児氏を代表取締役社長兼COOに昇格させる人事を発表した。助野氏は、4月27日に都内で開催した記者会見で、医薬品や再生医療など新事業の強化に重点を置くとした上で「次の成長に向けて、これらの事業を軌道に乗せて、大きなプロフィットを生むようにしていくのがCOOとしての私の使命」と抱負を述べ、買収や他社との連携なども積極的に検討していく意向を示した。
助野氏は、1954年生まれの61歳。77年に富士写真フイルムに入社後、富士フイルムHD経営企画本部長などを歴任し、13年に富士フイルムHD取締役執行役員に就任した。海外駐在経験により国際感覚に優れ、買収案件にも携わった経歴から新社長に抜擢された。現社長・COOの中嶋成博氏は、健康上の理由から6月29日で退任する予定。東芝メディカルの買収を逃した件と今回の人事は無関係としている。会長・CEOの古森重隆氏は現職のまま、引き続き経営に携わる。
助野氏は、富士フイルムの海外売上高比率が約6割だとした上で、「新興国をはじめ、まだまだ海外でビジネスを伸ばしていく余地があると考えている」と強調。「海外でのビジネス経験を生かし、従来以上にグローバル展開を加速させていく」と抱負を述べた。