
小売店には「V」と「Vゼロ」の並列陳列での訴求を勧めていく
武田薬品は、アリナミンブランドのドリンク剤シリーズに、効き目と糖類ゼロを両立させた「アリナミンVゼロ」(指定医薬部外品)を、7日から新発売した。肉体疲労時の栄養補給・滋養強壮に向けたミニドリンク剤として、ロングセラー商品の「アリナミンV」を単に糖類ゼロとしただけでなく、処方を強化しているのも特徴。最近のドリンク剤ユーザーは、カロリーの低さ・糖分の少なさを求める人も少なくなく、同社では「ドリンク剤市場の活性化」も視野に、11日からは新TVCMの放映も開始するなど、積極的な販促を展開していく考え。
アリナミンのドリンクシリーズを含めた栄養ドリンク市場は、過去6年間で販売額(実消化金額)が前年を上回ったのは、猛暑となった2010年度のみというように、ダウントレンドが続いている。その中で“低カロリー栄養ドリンク”市場は、緩やかながら拡大傾向にあり、ドリンク剤全体の中で販売額も1割ほどを占めるようになってきた。
実際に武田薬品が昨年10月、20~69歳のドリンクユーザー(男女780人)に行った調査で、栄養ドリンク購入時の重視点としては、「効き目」が最重要視される一方で、「カロリーが低い」「糖分が少ない・無配合」を挙げる層も結構存在していたという。その反対に、栄養ドリンクを購入・飲用しない人々にもその理由を聞いたところ、「効果が期待できないから」が最も高い一方で、「糖分が多そうだから」「カロリーが高そうだから」を挙げる層も、少なからず存在していた。
こうしたニーズに応えるべく投入した「アリナミンVゼロ」は、アリナミンVと同様に、同社が開発したビタミンB1誘導体「フルスルチアミン」とビタミンB2やB6などのビタミンB群を配合し、肉体疲労時の栄養補給・滋養強壮によく効く。糖類ゼロで1本(50mL)当たり3kcalと、摂取カロリーを気にする人にもお勧め。
そして、アリナミンVの処方に追加配合しているのが、脂肪の代謝に関わる「イノシトール」で、ビタミン含有保健剤製造販売承認基準最大量の400mg配合した。ほどよい苦味に、甘味と酸味を加えたミニドリンク剤で、パッケージデザインは、アリナミンVと統一感を持たせながら、アリナミンブランドの基本色である赤と白に加え、シルバーを使用することで“糖類ゼロ”を表現した。なお、同品についてはメーカー希望小売価格は設定せず、小売店サイドが自由に値段をつける形としている。
広告展開では、アリナミンVシリーズのメッセンジャーとして、「アリナミンV」「アリナミンV&Vロイヤル」と同様、俳優の唐沢寿明を起用し、TVCMを中心に展開していく。