日本病院薬剤師会副会長の土屋文人氏は13日、和歌山市内で講演し、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品事件を契機に話題になった医療用医薬品へのシリアル番号付与について「理想的だが、運用には莫大な費用や手間がかかる」と指摘した。土屋氏自身もシリアル番号導入の推進派ではあるものの、今回の事件の再発防止を目的に早急に導入する必要性は低いと言及。理想と現実の折り合いをつけながら中長期的に、医療用医薬品の追跡可能性(トレーサビリティ)確保のあり方を考えていく必要があると呼びかけた。
今回の事件では、いわゆる現金問屋から同剤を仕入れた薬局チェーンが、それを偽造品と気付かず患者に渡してしまった。現金問屋も、日々不正に個人から購入していた医療用医薬品の中に偽造品が混ざっていたことを見抜けなかった。
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