大日本住友製薬は、胃・食道胃接合部腺癌を対象とした癌幹細胞阻害剤「ナパブカシン(一般名)」(開発コード:BBI608)の第III相試験「BRIGHTER試験」の中間解析で、独立データモニタリング委員会が対照群に比べ主要評価項目の全生存期間(OS)で有意な延長を示す見込みが低いと判断し、試験の盲検を解除する勧告を受け入れたと発表した。ナパブカシンはSTAT3をターゲットとし、癌幹細胞性にかかわる経路を阻害するファーストインクラスの低分子経口剤として18年度申請を目指すなど試験結果が注目されていたが、厳しい結果となった。今後同社では、結腸直腸癌、膵癌の対象でナパブカシンの第III相試験を進め、早期承認の取得を目指す方向だ。
「BRIGHTER試験」は、米国や日本などにおいて714人のフッ化ピリミジンと白金製剤の併用を含む前治療歴のある進行性胃・食道胃接合部腺癌患者を対象に実施されたランダム化二重盲検国際共同第III相試験。ナパブカシンと週1回投与パクリタキセルの併用群とパクリタキセル単独投与群を比較し、主要評価項目のOSを検討、累積イベント数が380に達した時点で中間解析を実施した。今回の結果を受け、同試験は非盲検下(オープンラベル)で試験実施計画書に定められた評価項目に従い継続されることになる。
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