未治療層へアプローチ
中外製薬は、異業種と連携した疾患啓発に乗り出す。医療機関や介護関連施設で高齢者向けの美容サービスを提供する大手化粧品メーカーと連携し、美容を通じて活動的になった高齢者に対し、骨折リスクの啓発活動を行うことで骨密度の検診を促し、医療機関未受診患者を掘り起こしていく戦略だ。加藤進営業本部長は、本紙のインタビューに対し、医師や薬剤師にのみに情報提供をしても、カバーできない未受診患者に対するアプローチとして、「医療機関以外のステークホルダーと連携する必要がある。われわれは(従来のMR像に関する)発想を変えて、一般市民にアプローチしている」と異業種との連携によって情報提供を強化する方向性を示す。
中外は、4月から営業本部を従来の11支店から都道府県単位の活動を基本とする36支店に細分化し、本社が画一的な営業戦略を指示するのではなく、各地域の特性に応じた医療提供体制の構築を図っている。MRは、各地域の医療状況やニーズを把握する上で、診断後の患者への処方提案を医療従事者に行う従来の情報提供だけでなく、診断を受けていない潜在患者を掘り起こし、正確な診断、ガイドラインに沿った最新の標準治療を促し、適切な副作用管理のもと、総合的に支援する役割が求められている。
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