シンバイオ製薬は、米イーグル・ファーマシューティカルズから抗癌剤「トレアキシン」(一般名:ベンダムスチン)に関するRTD製剤、RI製剤の液剤で日本における独占的開発・商業化権を取得し、最大の懸案事項だったトレアキシンの特許期間を2031年まで延長させた。現在、エーザイと協業し、トレアキシンの凍結乾燥注射剤(FD製剤)を国内で販売しているが、現行では20年までの特許期間となっていた。FD製剤に比べ、溶解が不要で希釈時間が短縮できるなどの医療上のメリットもあり、承認申請を急ぐ。トレアキシンは当面開発中の適応症だけで薬価ベースで売上200億円の目標を掲げる。今後は、再発・難治性高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした第III相試験で、11月末に中間解析結果の発表を予定する抗癌剤「リゴセルチブ注射剤」で、ビジネスを軌道に乗せられるかが大きな焦点となる。
今回の契約では、シンバイオはイーグルに対し、1250万ドル(約14億円)の契約一時金と承認取得時のマイルストン、販売開始後には販売額の目標達成に応じた販売マイルストンとロイヤリティを支払う。ベンダムスチン液剤は、米国ではイスラエルのテバファーマスーティカルが「ベンデカ」の製品名で販売し、ベンダムスチン市場の97%を獲得するなど普及しており、トレアキシンのプラットフォーム化を固めた格好だ。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。