壁掛け式の服薬管理ポケット「おくすりハウスWプラス」など、健康関連商品企画・販売のウォーム・ハート(本社東京北区)は、糖尿病患者がインスリン注射に最低限必要なアイテムをひとまとめにでき、外出時もスマートに持ち歩きできる「おくすりウォレット」を開発し、販売開始した。患者の多くは血糖値測定機器や穿刺機器、注射針、消毒綿など、インスリン注射に必須の道具を複数の化粧ポーチやペンケースに分けて持ち歩いているのが現状。さらに近年は糖尿病患者の増加に伴い、使用後の針をトイレや一般ゴミとして廃棄するケースも見られることから、これまでにない「針専用ポーチ」も付属するなど、実際の患者の声をもとに“インスリンポーチ”の開発に取り組んだ。
開発のきっかけは、長年インスリン治療をしている糖尿病患者の声という。「日々持っている患者さんの不満や悩みを少しでも解決し、QOL向上につなげたい」(滝口佳子代表)との考えから、この患者と共にデザインその他を含め、検討を重ねていった。インスリン自己注射は毎日複数回の注射が必要で、ペン型注入器も改良が進んでいる。一方で血糖値測定機器や穿刺機器などは各メーカーでサイズや形も異なるため、可能な限り流通する製品のサイズを測定。外出時に必須な物をリサーチし、様々な組み合わせを想定して設計した。
最低限必要なアイテムとしては、インスリン2本、注射針、血糖値測定機器、穿刺機器、血糖値測定チップ、消毒綿、ブドウ糖、廃棄針入れ、血糖値記入メモ、絆創膏、糖尿病IDカード──を想定し、ポケット類の配置等も工夫した。カーフレザー調のおしゃれな外観の本体カラーはブラウンで、サイズは縦23cm×横10cm×厚さ3.2cm。税別価格3800円。
外出時の注射場所で多いのがトイレであり、菌対策という面に加え、ポーチに血液が付いてしまってもサッと拭き取れるよう抗菌配合のPVC素材(本体と中の透明ポケット部分)を使用した。さらに、人目に触れずに必要な物だけを取り出して持ち歩くのに便利な「サブポーチ」も付属している。猛暑の時期などは、インスリンを冷やす保冷剤を入れるのにも便利。
デザインやパーツの配置など、使いやすさを追求して誕生した「おくすりウォレット」の他にない特徴が、使用前・使用後の針を分別収納できるスライダー付きの専用ペアポーチを考案したこと。使用後の注射針が百貨店や飲食街、新幹線などのトイレで捨てられることも少なくないようで、二次感染の面からも対策が望まれている。スライダーの色で白は未使用、赤は使用済みというように、より認識しやすい工夫を取り入れ、今まで面倒だった使用済みの針の持ち帰り問題の解決を目指した。
滝口氏は「外出先や職場・学校などでインスリンの自己注射を行っている患者さんが増加しているが、注射の際に必要なアイテムが入るポーチは非常に少ないのが現状。全てをひとまとめにできる物を求めつつ、精神的な負担や不満を抱えながら生活している患者さんにとって、『おくすりウォレット』が少しでも快適なインスリンライフを送ることに貢献できれば」として、薬局・ドラッグストアを含めた販路にも期待を示す。
問い合わせは同社営業本部(電話048-226-2015)。詳細はHP(http://www.warmheart.co.jp/)