■処方経験は半数近くが認識せず
ジェネリック医薬品(GE薬)の認知度が9割を超す一方で、GE薬の処方の経験について、5割近くが認識しておらず、医療者側のGE薬に対する情報提供が不足気味――これは、福岡県が県民に対して実施した「ジェネリック医薬品」のアンケート調査の結果で明らかになったもの。調査は、福岡県が県政モニター制度で一般公募した20070歳代までの男女248人(男性98人、女性150人:回答率は100%)を対象に実施(調査期間2007年11月19012月3日)した。先月開かれた県ジェネリック医薬品使用促進協議会で報告された。
■医療者側の情報提供不足が浮彫り
調査結果によると、GE薬について「よく知っている」「大体知っている」が全体の63%を占め、「聞いたことがある」を含めると94・4%に達した。「よく知っている」の年代別では、20030歳代が20%以上あるのに対し、50070歳代では10%前後と低かった。
GE薬を処方された経験については、「あり」が13・3%、「なし」が27・8%だった。一方、「分からない」は全体の44・8%いた。年代別でも70歳代以上が59・1%と高く、各年代とも40%を占めており、医療者側のGE薬に対する情報提供が、不足気味な現状を浮き彫りにした。
「先発薬とGE薬、どちらを希望するか」の質問では、全体の35・1%が「GE薬」を希望するものの、「医師・薬剤師の判断に任せる」(27%)、「説明を受けて判断する」(31%)と考えていることも分かった。
「GE薬を希望する」理由(複数回答)としては、圧倒的に「支払い金額が安くなる」を挙げ、年代別でも同様の傾向だった。また、「先発薬を希望する」理由では、「効果や安全性が不安」が多かった。
GE薬に関する知識レベルと薬剤選択の関係では、GE薬について「よく知っている」の52・6%、「大体知っている」も42・4%がGE薬を選択していた。しかし、「言葉は知っている」や「知らなかった」では、それぞれ7割以上が、医療関係者の判断や、説明を聞いて判断していることが分かった。
■品質など不安視、費用掲示も要望
アンケートでは多数の自由意見も寄せられた。「医師や薬剤師から説明を受けたことはない。そのような選択の余地がある場合は患者に説明はあるのか」「身体に入るものなので本当に安全なのか。今までも医薬品には問題が多く、良いものであれば、医師や薬剤師が賛成すると思われる。医師等が勧めないのは疑問が残る」「使用したGE薬は口に入れてすぐに舌の上で溶けた。最初の薬と明らかに別物。怖かった」など、GE薬に対する説明のほか、付加価値製剤などの情報も患者に伝わっていない現状が明らかになった。
さらに、「病院での張り紙でGE薬の存在を知ったが、全ての医薬品にGE薬が存在するのではないと思うので、どの医薬品に存在するのか分かるようにしてほしい」や、「薬局が積極的に患者に問いかける指導が必要。先発薬とGE薬で支払う薬代を見積もり、比較を示す必要がある」など、具体的なGE薬の説明を求める声も挙がった。
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