厚生労働省医薬・生活衛生局総務課の紀平哲也薬事企画官は26日、金沢市で開かれた日本薬学会年会のシンポジウムで講演し、患者のための薬局ビジョンに盛り込まれた「対物業務から対人業務へ」という概念が「何を意味しているのか、あまり伝わっていないのではないか」と言及。「調剤して薬を渡すところで薬剤師の仕事が終わってしまっていないか、薬を渡すことが目的になっていないか、というのがもともとの問題提起」とし、病気を治すという本来の業務に薬剤師として注力するよう要請した。
紀平氏は「対人業務という言葉だけ見ると、笑顔で応対するとか、そんな受け止め方をされる恐れもあるが、決してそんなことを言いたいのではない。薬学的な知識や技能をもとに薬剤師が患者さんにできることをきちんとしましょうということ」と強調。「薬を渡すことが目的ではなく、疾患の治療が本来の目的。その目的を果たすための業務に注力しませんか、という問題提起」と語った。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。