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ロート製薬は、OTC医薬品では日本初となる膣カンジダ再発治療薬「メンソレータムフレディCC膣錠」を、22日から全国の薬局で発売する。医療用成分「イソコナゾール硝酸塩」を医療用と同量の100mg配合している。再発を自覚した際に、医療機関を受診しなくても、自ら治療できる画期的なスイッチOTC薬。
膣カンジダは、体内に常在するカンジダ感染による膣炎。症状は女性器の外陰部の激しいかゆみと、おりものが増量して、おかゆ(カッテージチーズ)状や白く濁った酒かす状という特有の状態に変化する特徴がある。
同社の調査では、膣カンジダは女性の約5人に1人が経験し、さらに罹患者の約半数が再発していることが分かっている。
新製品は、▽医療用で治療薬として使われているイソコナゾール硝酸塩を同量配合▽臨床試験で98・4%の高い治療効果を確認▽膣深部に挿入する膣錠で、使いやすいスリムな形――などの特徴がある。
1錠中にイソコナゾール硝酸塩100mgを含有。用法は成人(15歳以上60歳未満)が1日1回1錠を膣深部に挿入、6日間続けて使用する。3日間使用しても症状の改善がみられないか、6日間使用しても症状が消失しない場合は、医師の診療を受ける必要がある。メーカー希望小売価格(税込み)は、6錠入り3675円。
発売後にロート製薬は、膣カンジダに対する正しい情報の伝達、プロモーションを展開する。購入者に対し、セルフチェックシートや小冊子等で店頭展開及び情報提供を実施するほか、ユーザー向けの相談窓口として「フレディコール」を新設し、女性スタッフが質問に対応する体制を整える。またウェブサイトの新設、テレビCM、雑誌広告も展開する。
10日に大阪市内で会見した森岡茂夫専務取締役・技術担当東京支社長は「今回発売する膣カンジダ再発治療薬は、スイッチOTCの新しい形を示した意義あるもの。当社の得意なユーザー視点に立って、女性の深い悩みに真摯に対応できる商品」と強調した。
また、西口一希執行役員マーケティング副本部長は、「これまで膣カンジダ症は、病院で治療するしか方法がなく、通院するのは心理的にハードルが高いことが想像できる」と述べ、同社の調査でカンジダ経験者の77%が、「自分で購入したい」と考えていることを紹介。売り上げ目標については、「潜在需要は大きく、初年度5億円を見込んでいる」とした。