滋賀医科大学はこのほど、同医大NCD疫学研究センターが中心となって実施している滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA)において、同センターおよび神経難病研究センターとシスメックスとの共同研究として、アルツハイマー病関連血液バイオマーカーと関連する因子に関する研究で、血液バイオマーカーと年齢・腎機能・認知機能との関連を明らかにした。この成果は、血液による早期認知症リスク検査の社会実装を推進する重要なエビデンスとなる。また、この論文が、学術誌「Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載された。
血液で認知症リスクを調べる「血液バイオマーカー」測定技術は、身体的負担が小さく簡便なことから、症状が出る前の段階から使える新しい検査方法として期待されている。これまでの研究の多くは、既に認知機能障害のある患者を主に対象としており、一般住民集団を対象とした大規模な研究は限定的だった。一般住民を対象とした検討は、血液バイオマーカーを社会に実装していくに当たって重要となる。
今回の共同研究では、滋賀県草津市住民から無作為抽出された40歳以上の男性845人を対象に、アルツハイマー病(AD)関連バイオマーカーであるアミロイドβ40(Aβ40)、Aβ42、総tau(T-tau)、リン酸化tau181(P-tau181)およびNfLの血漿濃度を測定した。
その結果、全てのAD関連バイオマーカーの値は年齢が高いほど高く、腎機能(eGFR値)が低いほど高いことが分かった。測定したマーカーのうち、T-tauとP-tau181が高いほど認知機能は低いという結果を示した。
脳アミロイド沈着の指標とされるAβ42/Aβ40比は、高齢になるほど低値(アミロイド陽性)になるが、eGFR値とは関連せず、腎機能の影響を受けにくい可能性が示唆された。
血液バイオマーカーは、発症前段階の変化を捉え得ると期待された方法だが、一方でその測定値は、年齢や腎機能の影響を踏まえて慎重に解釈する必要性があることが分かった。
なお、今回の研究では、シスメックスの「全自動免疫測定装置HISCL5000」を用いて測定した。
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