関連検索: 厚生労働省 ディスポーザブル 血糖測定器具 実態調査
島根県の医療機関で、1回1人の使用に限っているディスポーザブルタイプの血糖測定器具を、複数の人に使い回したケースが相次いで発覚したことを受け、厚生労働省は27日、ディスポタイプの同器具の使用実態調査を全国の医療機関を対象に行うと発表した。6月末までに調査結果をまとめ、必要なら対策をとる。
調査では次の器具の取り扱い実態を調べる。
▽マルチランセット、うで用マルチランセット、ファインレット、マルチランセットII、マルチランセットS(製造販売業者:アークレイファクトリー)
▽イージータッチ、ランセットデバイス(アボット・ジャパン)
▽ワンタッチウルトラソフト(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
▽オートランセットII(テラメックス)
▽ニプロフリースタイルライトショット、ニプロフリースタイルライトショットフラッシュ、フリースタイルキッセイ穿刺器、フリースタイルフラッシュキッセイ穿刺器、ラクレット、ニプロフリースタイルライトショットフリーダム、フリースタイルフリーダムキッセイ穿刺器(ニプロ)
▽エースレット(日本ベクトン・ディッキンソン)
マイクロレット、マイクロレットチョイス(バイエル薬品)
▽ソフトクリックス(穿刺器)、ソフトクリックスプラス、ソフトクリックスミニ、マルチクリックス(ロシュ・ダイアグノスティックス)
ディスポ血糖器具の使い回しは、島根県益田市の診療所で3月末から約1カ月間に44人の患者に対し、針を交換せずに使用したことが4月30日に発覚。
感染の恐れがあるため検査した結果、因果関係は不明だが、HCV抗体陽性2人、HBs抗原陽性1人、HBs抗体陽性13人に上ることが判明。その後、島根県の調べで、針は交換していたものの、ディスポタイプの使い回しが24日現在で46医療機関で行われていたことが分かった。奈良県からも1施設で同様のケースがあったことが報告されているという。
これらの器具の添付文書には、「複数の患者に使用しないこと」と明記されている。厚労省医薬食品局は、海外での使い回しによる感染事故を受け、2006年3月には、「複数患者使用不可」のシールを器具に貼るよう指導し、島根県益田市のケースでも貼られていた。今回の発覚以前には、厚労省に使い回しが報告されたことはなかったという。
ディスポ血糖測定器具の中には、針とその周辺部分を交換することで、複数の人に使用可とするタイプもあるが、器具の外観などで明確に区別するなど、誤使用の追加対策については、「現時点で検討する予定はない」(医薬食品局安全対策課)としている。
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