富士フイルムの米子会社、フジフイルム・セルラー・ダイナミクス(FCDI)は、製薬企業や研究機関、アカデミア向けに創薬支援用iPS細胞由来分化細胞「iCell Microglia(アイセルミクログリア)」を、富士フイルム和光純薬を通じて、今月下旬に発売する。
アイセルミクログリアは、ヒトiPS細胞をアルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経疾患の発症に関与するミクログリア細胞に分化誘導した創薬支援用iPS細胞由来分化細胞。神経疾患を対象とした新薬開発に用いることで、ヒト生体における中枢神経系に近い環境で新たな評価方法を構築でき、新薬の研究開発の効率化に役立てる。
また、既存薬を別の適応症で検討するドラッグリポジショニングにおいて、神経疾患領域における新たな適応疾患を探索するための研究開発期間の短縮を実現する。
FCDIは、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニー。2018年1月に、カリフォルニア大学アーバイン校とiPS細胞からミクログリア細胞へ分化誘導する技術に関する独占ライセンス契約を締結。約20種類の創薬支援用iPS細胞由来分化細胞を販売している。