9月21、22日に神戸市内で開かれた日本精神薬学会総会のシンポジウムでは、向精神薬の多剤処方の適正化に取り組む医師、薬剤師から臨床現場の課題が示された。診療報酬改定で向精神薬処方に制限がかけられているものの、処方量は横ばいで推移している。不眠症患者が睡眠薬に頼ってしまい、医師も安易に処方してしまう現状がある。疑義照会時に減薬の根拠となる明確な指標がないことも課題で、現場の薬剤師からは「医師から適正使用の範囲内だと言われてしまうと反論できない」という声が上がった。
高橋結花氏(東京女子医科大学病院薬剤部)は、安易にベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤を投与する医師の多さが不適切処方の一因と分析。処方適正化を進める上で「精神科以外の医師の協力が必要」と述べた。
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