大日本住友製薬は11日、双極性障害のうつ症状と統合失調症の改善を適応症として、非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg、40mg、60mg、80mg」(一般名:ルラシドン塩酸塩)を新発売した。
同剤は、同社が創製した独自の化学構造を有する非定型抗精神病薬。ドパミンD2、セロトニン5-HT 2A、セロトニン5-HT7受容体にアンタゴニストとして作用し、ヒスタミンH1、ムスカリンM1受容体にはほとんど親和性を示さない。統合失調症における陽性症状や陰性症状をはじめとする各種精神症状、双極性障害のうつ症状への改善効果を発揮する。
用法・用量は、統合失調症に対しては40mg、双極性障害におけるうつ症状改善の適応症では20~60mgを1日1回食後経口投与する。双極性障害の患者が少ない日本では、競合薬が多い統合失調症領域での処方が中心になる見込みである。
北米で双極性障害のうつ症状の患者を中心に年間約1900億円を売り上げる大型医薬品だが、国内では米国ほどの売上規模を見込んでおらず、初年度の売上高は22億円を予想する。