日光ケミカルズは、国内初の医薬品向けサトウキビ由来スクワラン「NIKKOLシュガースクワランM」の販売を開始した。サトウキビは再生可能資源で、世界的な需要に見合った生産量を確保しているとして、環境保護と安定供給を両立させた医薬品添加剤として訴求していく。現在は、サメ由来のスクワランが使われているが、10年後には年間使用量の半分以上をサトウキビ由来にしていきたい考え。
スクワランは、化粧品や医薬部外品、一部の医薬品外用剤で、保湿性を高める原料として使われている。サトウキビ由来のスクワランの発売以前は、主にサメの肝油、オリーブから作られ、医薬品添加剤としてはサメ由来のスクワランのみが許可されていた。
ただ、サメの捕獲に対する規制が厳格化されて、オリーブについても天候不良で不作になる場合があるなど、安定供給や価格安定性の面で課題を抱えていた。
こうした中、日光ケミカルズは、2011年にパーソナルケア向けにサトウキビ由来のスクワラン「NIKKOLシュガースクワラン」を上市。サメやオリーブからサトウキビ由来へと切り替えが進む中、今年に医薬品添加剤としての許可が得られ、「NIKKOLシュガースクワランM」の販売を開始した。
サトウキビは、天候の影響をほとんど受けない再生可能資源で、世界的需要に見合う十分な量が生産されている。原料のサトウキビには、遺伝子組み換えでない糖度の高いブラジル産を使用している。
現在、医薬品向けでは、国内で年間約150~200トンのサメ由来スクワランが使用されている。今後もスクワランの需要が増加すると見込み、今後上市する新薬や後発品、OTC医薬品向けに、サトウキビ由来スクワランを積極的に提案していく方針だ。