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高血圧治療ガイドラインの最終案まとまる‐リスクあれば「正常高値血圧」も薬物治療へ

2008年10月16日 (木)

第31回日本高血圧学会総会
最終案をめぐり討論した

 2型糖尿病や慢性腎疾患などを発症している場合には、正常高値血圧であっても直ちに薬物療法を実施すべきことが盛り込まれた高血圧治療ガイドライン「JSH2009」の最終案が、札幌市で開かれた第31回日本高血圧学会総会で発表された。正常高値であっても心血管疾患の発症率が高まるとの疫学研究の成果が反映されたものとなった。最終案策定に関わった今井潤氏(東北大学病院臨床治療センター)は、正常高値血圧の患者に対する薬物療法を実施する場合、「保険診療の観点から、社会的な問題になるかもしれない」としたものの、「高リスク因子である糖尿病などの患者には、即時治療が求められることから、問題は少ないだろう」とした。

 JSH2004では、高血圧症の定義を「収縮期血圧/拡張期血圧が140/90mmHg以上」とし、患者の状態に合わせた治療を実施するため、リスク分類を取り入れている。リスク因子としては、糖尿病、脳心血管イベント、慢性腎疾患などが挙げられ、これらの保有数により軽症高血圧症、中等度高血圧症、高度高血圧症に層別化し、それに合わせた薬物療法を示している。

 JSH2009最終案では、新たなリスク分類の評価に、「正常高値血圧」を追加。その血圧値を「130/85mmHg以上」としたほか、リスク因子としてメタボリックシンドロームなどを盛り込んだ。さらに、脳心血管リスク分類としては、正常高値血圧であっても、糖尿病や慢性腎疾患などを発症している場合には「高リスク」、 メタボリックシンドロームと診断されている場合には、1カ月の生活指導で140/90mmHg未満を維持できなければ、降圧薬による治療を実施する「中等リスク」と設定された。

 正常高値血圧については、至適血圧や正常血圧に比べ、心血管疾患の発症率が高いことが、これまで発表された疫学研究の結果から明らかになっており、薬物療法を実施することが有益との見解が示された。

 今井氏は、「糖尿病や慢性腎疾患などの疾患自体が、心血管疾患発症の高リスク因子となり得る」とし、正常高値血圧であっても、直ちに薬物療法を実施すべきとした。

 腎疾患の薬物療法としては、アンジオテンシンII受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬を第一選択薬とし、カルシウム拮抗型降圧薬や利尿薬を併用投与する。糸球体濾過量(単位:mL/分/1.73m2)が30以上の場合にはサイアザイド系利尿薬、30未満の場合にはループ系利尿薬を使用する。

 糖尿病の薬物療法としては、130/80mmHg以上で、直ちに薬物療法を実施。第一選択薬として、インスリン抵抗性改善効果が期待されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬、第二選択薬としてはカルシウム拮抗型降圧薬や利尿薬が位置づけられている。

 ただ、血圧値が1300139/80089mmHgでも、主治医が生活習慣の改善により降圧が達成できると判断した場合には、130/80mmHg未満を目標に、3カ月間以内の生活習慣改善の指導ができようにもしている。

 メタボリックシンドロームと診断され、糖尿病を発症していない人には、従来の140/90mmHg以上から降圧治療を実施する。




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