薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は27日、新薬3成分を審議したが、ノバルティスファーマが製造販売する気管支喘息薬「ゾレア」、東レが製造販売する血液透析患者のそう痒症改善薬「レミッチカプセル」が、新規作用機序のため薬事分科会で審議することになった。
「ゾレア皮下注用150mg(ゾレア皮下注用150mg投与用に名称変更予定)」の有効成分はオマリズマブ(遺伝子組み換え)。気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者)を効能・効果とする。抗Igモノクローナル抗体が、血中のIg受容体と結合してIgE濃度を下げるという新しい作用機序を持つ。海外で遅発型アナフィラキシーの副作用が報告されているため、添付文書で注意喚起を図る。再審査期間は8年。
「レミッチカプセル2・5μg」の有効成分はナルフラフィン塩酸塩。血液透析患者のそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果とする。オピオイドκ受容体に働きかけて痒みを抑えるという新規作用機序を持つ。再審査期間は8年。
また、「リカルボン錠1mg」(小野薬品が製造販売)、「ボノテオ錠1mg」(アステラス製薬が製造販売)は、承認しても差し支えないと結論し、薬事分科会には報告扱いとなった。有効成分はミノドロン酸水和物。骨粗鬆症を効能・効果とする。骨の吸収を抑える働きのあるビスホスホネート製剤の一種で、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸に続く4種目となる。プラセボとの比較で骨折発生率の抑制効果が認められた。再審査期間は8年。
このほか部会では、「オキサロール軟膏25μg/g」「オキサロールローション25μg/g」(中外製薬)に、掌蹠膿疱症の効能・効果を追加する一部変更申請が報告され、了承された。手足の皮膚に水疱や膿疱ができたり、角化してしまう難治性の皮膚疾患で、国内の患者数は2005年で2万6000人程度とされる。