第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会理事
山田卓郎
福岡県薬剤師会理事
仙敷義和
大規模災害発生時に備え、各都道府県薬剤師会は災害対応マニュアルや、緊急事態に対する業務継続計画(BCP)を策定されていることと思われる。被災地では、災害医療ボランティアによる支援活動において薬剤師の果たす役割は重要となっている。
本分科会では災害時における薬剤師の役割について、被災地がどのように体制を整備するのか、災害支援に参加する薬剤師がどのように支援活動を行えばよいのかについて、体験談を交え講演いただく。
基調講演では、「大規模災害時に求められる薬剤師の役割」と題して、福岡大学薬学部臨床薬学研究室教授であり、災害医療コーディネーターの資格を有する江川孝氏から、薬剤師が被災地でどのように他職種と連携をとり、その役割が発揮できるのかについて講演いただく。
次いで、宮城県薬剤師会の高橋文章常任理事から「医薬品の流通と体制整備」と題し、10年前の震災時における災害派遣での他職種連携等の課題について、また2019年台風19号による災害派遣でどのように連携改善や進歩があったのかについて講演いただく。
次いで、熊本県薬剤師会の寺元栄一常務理事から「コロナ禍での災害支援活動」と題して、昨年7月新型コロナウイルス感染症拡大期に起きた豪雨災害時の薬剤師による支援活動について、体験をもとに浮かび上がったコロナ禍での災害支援時の問題点や課題について講演いただき、また熊本地震後に購入したモバイルファーマシー(MP)を活用した支援活動についても紹介していただく。
最後に、大分県薬剤師会の伊藤裕子理事から「大分県薬剤師会におけるMPの活用」と題して、7年前に購入したMPによる2回の活動実績(熊本地震時・九州北部豪雨)での経験や課題、また平時での活用方法等について講演いただく。
今回の各演者の所属薬剤師会(福岡・宮城・熊本・大分県)はMPを所有している。今後MPの導入を検討している県、地区は質問を積極的にぜひ行っていただきたい。
(仙敷義和)