第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会副会長
川上純一
福岡県薬剤師会薬事情報センター室長
神雅子
薬機法の改正により薬局の定義が改正され、薬局は「調剤の業務を行う場所」に加えて「薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所」であることが明確にされた。また、認定薬局制度においては、地域の医療提供施設に対して医薬品の適正使用に関する情報を広く提供し、地域の医薬品情報室としての役割を果たすことが求められている。
病院薬剤師による情報提供に、情報管理の場としてDI室が必要なように、今後地域医療の中で薬局の機能を発揮させるためには、薬局薬剤師のDI活動の充実が求められる。ICTの進展により、医療従事者や患者が扱える情報量は飛躍的に増大したが、薬剤師は最新の情報を入手・評価し、患者や医療従事者などの対象者に応じて、的確な情報を提供することが求められる。
本分科会では、基調講演として、「医薬品情報の特性と情報源-情報リテラシー力を高める-」と題し、熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)の山本美智子客員教授に、情報を使いこなすための基本的な情報検索の手順や探し方の概説と、医薬品情報の現状や課題および今後の展望について講演いただく。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の田島康則課長には、PMDAが提供している医薬品情報の利活用のために、医薬品情報の種別の特徴や入手方法について、杏林大学医学部付属病院薬剤部の若林進薬剤科長には、病院薬剤師のDI業務として、DI業務のICT化やリスクマネジメント、AIへの展望について講演いただく。
さらに、薬局薬剤師の立場としてパスカル薬局の横井正之氏からは、「薬学6年制下における薬局薬剤師の医薬品情報活用の事例とその意義」と題して、事例をもとに、それぞれの医薬品情報を臨床現場でどのように活用するかお話いただく。最後に今後薬剤師が、地域医療の中でDI活動をどのように行っていくか討論したい。
(神雅子)