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【マツキヨ社長・松本氏】OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」

2009年01月19日 (月)

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講演する松本氏

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の松本南海雄会長(マツモトキヨシ代表取締役社長)は、15日に都内で開催された流通システム開発センターの東京新春トップセミナーで、「ドラッグストア業態10兆円産業への道」をテーマに講演した。その中で、改正薬事法に伴う登録販売者制度の導入により、OTC医薬品の販売に異業種が参入してくるのは間違いないとの考えを示し、それに対応するために、専門性を打ち出し、長時間営業など地域に密着したドラッグストア作りを行っていくことの重要性を強調した。また、登録販売者制度などをうまく活用することで、「ドラッグストア業界は、現在の5兆円から倍の10兆円に伸びるであろう分野だと思う」とも述べた。

 講演で松本会長は、登録販売者制度のメリットに関して、「薬剤師のコストを抑えられる。また、コンプライアンスの面でも、今までの専門家不在という問題を解消できる」ことなどを挙げた。

 その上で、登録販売者制度実施を機に、ドラッグストアが長時間営業に踏み込むべきとの考えを指摘。「消費者による医薬品の夜間のニーズは高く、ニーズに応えていく必要がある。そのためには、登録販売者の活用が重要になる」と述べると共に、「一つの企業だけが長時間営業を実施しても、消費者にはなかなか認知されない。複数の企業が長時間営業することで、ドラッグストアは長時間営業なのだということを消費者に認知してもらうことができる」と話した。

 また、登録販売者制度などによって今後、スーパーマーケットやホームセンターなどの異業種が、OTC薬の販売に参入してくるのは間違いないとし、「それに対応するために、われわれは専門性を打ち出していく必要があり、長時間営業、地域に密着したドラッグストアづくりが大切だ」と強調した。

 さらに、「薬剤師を置いて第1類薬を販売できる店舗を作るべきだ」とも指摘。「日本薬剤師会、日本OTC医薬品協会、JACDSの3団体が集まり、今後、厚生労働省に対して、第1類薬を拡大していくように働きかけを行うという話が出ている」とし、それによって「消費者は第1類薬を置いていないところは薬局ではないというイメージを抱くようになる。ドラッグストアでも第1類薬を販売し、高齢化が進む中で、地域に密着したドラッグストアの薬剤師に相談して医薬品を購入するという方向性にすべきだ」と述べた。

 消費者へのPRについては、「業界全体や各店舗、あるいはマスメディアを通して、制度の内容等をPRする。また、消費者に対して、第1類薬は薬剤師、第2、第3類薬は登録販売者というように、医薬品の知識を持った人が販売することをPRしていく」と話した。

 ドラッグストア業界の今後の流れについて言及して松本会長は、「現在のドラッグストア業界で2000億円以上は6社、1000億円以上は13社で、まだまだ規模的には小さい」と指摘。「登録販売者制度などをうまく活用することで、現在の5兆円が10兆円にまで伸びるであろう分野だ」と述べた。10兆円の内訳に関しては、「OTC薬1兆円、調剤405兆円、サプリメント2兆円、生活密着コンビニエンス商品3兆円」と説明した。

 また、「10兆円を達成した頃には、現在の店舗数約1万5200店舗が、約3万03万5000店舗になっていると思う。ある程度、上位と下位という2極化が進んでくると思っている」とした上で、「ただ、そうした状況であっても、JACDSとしては団結して、日薬やOTC協会とも協力・連携を図っていきたい」と話した。



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