2019、2020年と新型コロナウイルス感染症との闘いのなかで、少なくとも日本の医療提供体制における様々な不具合、課題が炙り出されたといえる。新型コロナ禍において、「あの国の施策は素晴らしい、日本はダメだ」「コロナ敗戦国」「地域医療構想でベッドを減らそうとしたのが悪い・・」と、無責任な言説のなかで、大きく変わる世界情勢。特に日本における緩い施策のなかでの“沈静化”の不思議さ・・・
世界に比べ病床数が多いにも関わらず“病床逼迫”“医療崩壊の危機”が叫ばれたのも耳新しい。この点に対して、厚労省の地域医療構想に関するワーキンググループ座長を務める尾形裕也氏は、「実は急性期病床といえる病床が少ないため」と解説する。最近の調査結果から、3次救命救急センターはさておき、2次救急では僅か4割、急性期医療を標榜する施設では3分の1しか、新型コロナ患者の受け入れは出来ないという。
一方で、病床逼迫等の原因が「域医療構想による病床数の削減」との“通説”に対して、「そもそも地域医療構想は機能分化が目的」。「機能分化が進まなかった、サボっているからこうなった」と“非多数説”を唱える。日本における医療提供体制は、民間病院主体ということもあり“お金”以外は、自由放任であった。地域医療構想の構築は医師会や病院団体等の希望通り、その自主性に任せられ、話し合いの場として地域医療構想調整会議も設けられた。日頃から機能分化と連携、ネットワーク作りを話し合っていれば有事の対応も可能だった。例えば松本市のように。
新型コロナによる“危機”は裏を返せば、少子超高齢社会対応へと進んだ結果といえるが、医療法に定める感染症対応は2000床弱と、全くの想定外であった。新型コロナの影響は短期・中期的には語られるが、実は長期構想にも影響があるという。
今回は、医療提供体制に関わる基礎データ、その正確な構造など事実に基づき、また新型コロナで露呈した不具合も踏まえ、今後の日本の医療のあるべき姿を検証いただく。
日時
2022年12月20日(木)15:00~17:00
会場
ビジョンセンター日比谷(千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル3階)
(オンライン含むハイブリッド講演会)
演題
新型コロナウイルス感染症と医療提供体制
講師
尾形 裕也 氏(九州大学名誉教授)
参加費
会員(無料)、非会員(リアル、オンラインとも3,000円)、学生無料
出欠のご連絡
1月17日(月)までに、田中(t.tanaka@ytl.jp)宛てにお願いします。
※お申し込み時にリアル参加希望かオンライン参加希望かを教えてください。
※オンライン参加のご返事を頂いた皆様(会員・非会員)には、19日(水)にZoomの参加用URLを送ります。
当日の連絡先 080-3086-8607
※リアル参加は会員優先で、定員は50名(90名収容の会場)まで。
※非会員の参加希望者には、事務局より19日に参加用URLと口座番号をお知らせします。1月中のご入金をお願い致します。
※随時会員募集中
主催
医療・医薬品情報研究会
事務局・連絡先
学校法人 医学アカデミー 薬ゼミトータルラーニング事業部
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-18-3錦三ビル5階
専用ダイヤル 03-5577-4907
担当:田中・秋山