厚生労働省は25日付で、ノバルティスファーマのクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)治療薬「イラリス」を薬価収載する。CAPSは国内で確認されている患者が30名程程度のウルトラオーファンで、これまでは抗炎症薬、高用量ステロイド、免役抑制剤、抗TNFα製剤などによる対症療法しかなく、効果は不十分だった。
イラリスの保険適用は、中央社会保険医療協議会が慎重に判断したいとして結論を一度保留したが、18日の総会で、国内外臨床試験成績と再燃・寛解の臨床的評価基準を確認し、了承に至った。試験成績によると、国内では投与24週以内の寛解率が94・7%で、海外でもプラセボ群に対する有意差が認められている。
商品名は「イラリス皮下注150mg」で、有効成分はカナキヌマブ(遺伝子組み換え)。家族性寒冷自己炎症症候群、マックル・ウェルズ症候群、新生児期発症多臓器系炎症性疾患のCAPSを効能・効果とする。原価計算方式を適用し、国内臨床試験で一定の有効性が認められたことを評価して、営業利益率を30%上乗せした。薬価は、150mg1瓶が143万5880円。
予測市場規模はピーク時の3年目で30人、4億8000万円。海外では2009年6月に米国が承認して以降、独・仏でも導入している。