薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2月29日、ファイザーの新規分子標的肺癌治療薬「ザーコリカプセル」、中外製薬の先天性遺伝子疾患における去痰剤「プルモザイム」など新薬2件の薬事承認を了承した。
▽ザーコリカプセル200mg、同250mg(ファイザー):有効成分はクリゾチニブ。効能・効果は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
同剤は、ALK融合蛋白のチロシンキナーゼ活性の抑制を介し、細胞内シグナル伝達を阻害することで腫瘍の増殖を抑える働きを持つ。海外の第I相試験で高い奏功率が認められている。
ただ、イレッサなどと同様に、間質性肺炎などの重大な副作用が認められており、治療初期は入院またはそれに準ずる管理の下で、安全性に配慮しつつ使用する。投与対象となるALK融合遺伝子陽性の患者数は、非小細胞肺癌患者の2~13%程度で数千人程度と推定されており、オーファンに指定されている。
再審査期間は10年、全例調査の承認条件が付いた。海外では、米国と韓国で承認されている。
▽プルモザイム吸入液2・5mg(中外製薬):有効成分はドルナーゼアルファ。効能・効果は、膿胞性線維症における肺機能の改善。遺伝子組み換えDNA酵素製剤で、痰の粘度を下げることで痰の排出を容易にする新規作用機序を持つ。膿胞性線維症の患者数は、年間10~15人程度。オーファン指定されている。
再審査期間は10年、全例調査の承認条件が付いた。海外70カ国で承認済み。