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【2025年年頭所感】会員一丸で古い商習慣変える‐薬卸連会長

2025年01月09日 (木)

日本医薬品卸売業連合会会長 宮田浩美

宮田浩美氏

 昨年は、元日に発生した能登半島地震をはじめ、数多く発生した風水害などに、卸連合会としても厚生労働省や地方自治体、会員企業各社と連携を取りながら医薬品の供給に努めてきました。これらの災害対応を通じ、私たちは改めて医療の一翼を担う医薬品卸の社会的使命の重みを認識しました。この教訓を生かし、さらにBCP対応を強化するなど、社会基盤である医薬品流通を担う使命を果たしていく所存です。

 現場においては、長引く後発品等の出荷調整への対応など、大変困難な状況が続いています。引き続き、医療機関、保険薬局、製薬企業の皆様、医薬品卸が一体となって課題や情報を共有し、改善を図りながら、この状況を乗り越えていかなければならないと考えています。

 一方で、卸連合会としては、今もなお続く医薬品の供給問題を踏まえ、医薬品の持続的な安定供給が確保されるよう「中間年薬価改定の廃止」を訴え、中央社会保険医療協議会で意見を述べると共に、行政・国会議員に要望を行うなど、精力的に対応してきました。

 25年度の薬価改定は実施が決定しましたが、「中間年の薬価改定の廃止」については、引き続き様々な場において要望や意見を申し述べていきたいと考えています。

 また、適正な価格形成が行われる市場環境の整備に向け、その一丁目一番地となるのが「流通改善ガイドライン」への対応です。医薬品卸は、今まさにコンプライアンスを徹底しつつ、過去からの「古い商習慣」を変えていく節目を迎えています。今こそ会員企業それぞれが自ら変わることが重要であり、自らを律し、自らの規範に則って行動する「自律」と、自らが他者に依存せずに行動する「自立」、この二つの「じりつ」が求められているのではないかと思っています。

 特に、銘柄別薬価収載の趣旨にそぐわない総価取引を是正し、得意先の理解を得ながら単品単価交渉を推進することは非常に重要であると考えています。

 時代が大きく変化する中にあっても、医薬品卸の使命は平時でも有事でも、医薬品を途絶えさせることなく、医療の一翼を担う者として、国民の安心・安全な医療に貢献していくことです。「共感しないと行動に移せない」。この言葉を大切にし、会員企業の皆様方と共感しながら、一丸となって「古い商習慣を変えること」にチャレンジしていきたい。そのことが医薬品卸業界が大きく変わっていける唯一の道筋だと思っています。



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